青春の海(1967)

女教師三宅杏子は校長殴打事件のため、東京から地方の漁師町に左遷されてしまった。妹の千加はやっと勤めることができたデザイン・ルームをやめて姉の後を追って来た。杏子を迎えた土地の校長は行動派の彼女を、タケシというひねくれ者のいるクラスの担任にした、姉妹が下宿した家のとなり、山崎歯科は、若い歯科医である長男の宏一、東京でやくざになっている次男の次郎、工員の三男潤、料理学校に通っていて、亡き母の代りに家族の食事を受け持っている明夫と父源治という男ばかりの家族だ。兄弟は美しい姉妹に好意を寄せた、最初は反抗したタケシも、杏子にはだんだん素直になっていったが、ある日杏子が家庭訪問してみると、タケシは東京から戻ってきていた次郎と花札をやっていた。次郎は今はタケシの姉信子のやっているバー“レモン”のバーテンをしていたのだ。ところが、姉の荒んだ生活が原因で、ある時タケシが突然失踪した。杏子は次郎とふたりで深夜の町や浜辺を探し回り、やっとタケシを見つけた。が、翌日、次郎と杏子がアヤシイという噂が町に流れ、杏子は校長室に呼ばれた。教師がやくざとオカシクなっては困るというのだ。唖然とした彼女は次郎に根も葉もないことを証明してくれと頼むと、彼は町を出ていくつもりだと言い、自分がぐれるようになった暗い過去を、杏子に打ち明けるのだった。そんな彼に始めて杏子は強く惹かれた。一方、妹の千加は、噂をたてられたのは杏子にもスキがあったからだと姉を責めるのだった。いよいよ次郎が町を出る時、宏一はそれまで秘密にしていた歯科開業の資金を次郎に出してもらったことを、父源治に話した。愕然とした源治は血相を変えて家を飛出し、明け方まで帰らなかった。皆が血眼になって探しだすと、源治は酒をのみながら夜釣りをしていた。“バカヤロー”と怒鳴る次郎に、父親は始めて“すまねえ”と頭を下げるのだった。数日後、次郎が東京に戻る日、杏子も彼について行くと言いだした。妹の千加は、“やくざ男のために、私をおいていくなんて”と怒ったが、杏子は“私は次郎さんを愛してるの”と言い残して、次郎と同じ汽車に乗ってしまった。しかし次郎はつぎの駅で彼女を降ろし、千加のもとへ帰るようにと優しく言うのだった。……その夕方、夕陽の光る浜辺を、手を取りあって散歩する姉妹の姿が見られた。

解説

石坂洋次郎の原作を「青春のお通り 愛して泣いて突走れ!」の三木克巳が脚色、「涙くんさよなら」の西村昭五郎が監督した青春もの。撮影は「私は泣かない」の姫田真佐久。

1967年1月3日より

  • 配給
  • 日活
  • 製作国
  • 日本(1967)
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