社長千一夜

今や万国博を目の前にして、上潮ムードいっぱいの庄司観光会社は、目下社長を中心に猛ハッスル中。東京オリンピックでガッチリ儲け、次なる万国博では、観光客誘致事業の手始めとして、木村開発部長を現地調査につかわし、天草五橋プラン、つまり大阪→別府→熊本という、新ジェット・コース完成事業に着手した。ところが、道は敷いても、いざ外国人の宿泊施設の段になると、さすがやり手の社長、常務、部長、秘書の面々も思案投首の態、そこへトテモ信じられない話が飛びこんできた。自称、南米の大富豪の三世、ペケロ・ドス・荒木が登場し、天草に超近代的なホテル建設の為に来日したというのだ。半信半疑ながらも、渡りに舟とさっそく、庄司建設会社の現地案内珍道中と相なった。例により、南米男特有の雰囲気をムンムンさせるくだんの三世氏と、この時とばかり浮気を目論んでいる社長の間に、大阪のバーのマダム、鈴子が加わり、お色気合戦の大風呂敷が展開された。一行は瀬戸内海を経て、別府で一泊、車で快適に九州を横断し、ついにめざす天草に到着するや、案のじょう、ペケロ・ドス・荒木は仕事なんかソッチのけで、御婦人にのみ執心の態。そこへ何処でかぎつけたか、荒木の親類と名のる連中が押しかけ、天草ホテル建設計画を横どりしようとした。防戦する社長、常務、秘書路線の苦心を後目に、当の御曹子、荒木は女の方ばかりといったありさま。そのうちに南米の富豪の三世というのもホラだという噂も出る始末。一方、社長は楽しみにしていた浮気も、つぎつぎに失敗はするし、ホテル建設計画も、もはやこれまでと、皆で帰京の相談をしているところへ、青天のへきれき、ペケロ・ドス・荒木が事業計画書と仮調印書を、皆の前に差し出した。−−一同は来るべき万国博を夢見るのであった。

解説

「赤い天使」の笠原良三がシナリオを執筆し、「てなもんや東海道」の松林宗恵が監督した“社長”シリーズ二十五作目。撮影は新人長谷川清。

1967年1月1日より

  • 配給
  • 東宝
  • 製作国
  • 日本(1967)
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