男度胸で勝負する

昭和八年、直次は五年の刑期を終えて帰ってきた。彼をあたたかく迎えたのは、父吉太郎と子分たちだけで、腹違いの兄宗吉と妹千恵子の姿は見えなかった。直次は関東多賀屋一家の親分を父にそして妾である料亭「山吹」の女将菊を母に育った。彼には呉服屋の一人娘雪枝という恋人がいたが、やくざ者であり、前科者である自分を恥じて、恋を打ちあけられずにいた。一方では二階堂組の親分紋七は、多賀屋一家の縄張りを狙っていて、彼等の間には喧嘩の絶え間がなかった。直次はある日、数人の紋七の子分に襲われた父吉太郎を助けた。吉太郎は逞しく成長した直次の姿を見て、代を譲ろうと決心した。直次は本妻の子供である宗吉が家を継ぐのが道であると考え、一家を破門された男の娘美津と結婚したため、勘当され、今は小松一家の親分坂井の世話を受けている兄の宗吉に会って家に戻るよう懇願したが、駄目であった。そして直次が三代目を襲名した。年に一度の瀬戸物市がたった。しかし多賀屋一家は二階堂組のために商売が出来ず、責任を感じた子分の安が紋七にかけあいに行って斬られるに及び、ついに刃を交えることになった。直次を気づかった吉太郎は単身、指定の神社境内に乗り込み、紋七に助人を頼まれた坂井がさし出した息子の宗吉と相対するはめとなった。直次は父の悲報に接すると、直ちに二階堂組へ殴り込んだ。宗吉は弟をかばって仲間の一人を斬ったが、義理を破ったことを恥じ、自から胸に刃を受けるのだった。直次は土壇場にきて命乞いをする紋七を見てつまらぬ男を斬る空しさを覚え、そこを立去るのだった。

解説

「流れ者仁義」でコンビの山本英明・松本功が共同で脚本を執筆、「赤い夜光虫」の村山新治が監督したアクションもの。撮影はコンビの仲沢半次郎。

1966年8月26日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1966)
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