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掏摸(すり)(1965)

下谷界隈では清水一家と巾着屋一家がスリの縄張り争いをしていた。ある日清水組の乾分半太がすった財布を、見事すり返した男がいる。裏町で仕立屋をする銀次だ。そのすご腕に惚れた半太の誘いで、銀次は女親分清水熊に会った。やがて玄人のスリになった銀次は、縁日の日、ある親娘連れから財布をすった。この財布が銀次の運命を狂わせるのも知らず……。銀次のスリ行脚は増々激しくなっていった。老剣士桃井半蔵から印篭をする賭けをしたり、スリルに銀次は陶酔していった。ある日、半太とスリ行脚をする銀次は、縁日の日に自分がすった男の娘に会い、後を追った。娘の名はおさよといい、父は役人であったが、縁日にすられた財布がもとで病いに伏していると語った。銀次は思いあたるところがあった。巾着屋のスリ濡れ燕の健と刑事山川が必死に銀次の後をつけているのだ。あの財布の中味はよほど重要なものが入っていたにちがいない。銀次は中身も見ずに半太に呉れたのを悔んだ。一方半太はその中にあった一万円の受領書をネタにおさよの父牧村をゆすっていた。受領書は工事入札に関する監督局の汚職の証拠であったのだ。その後牧村は局長から不始末を叱責され自殺して果てた。葬式を出した傷心のおさよを、銀次は何とか救うため、あの日の財布を持っている半太を訪ね、半太から受領書をネタに、牧村をゆすったことを聞き、後悔の念にかられた。一方おさよは、次第に銀次に惹かれていった。事情を知った半太は、銀次と監督局を訪ね局長に受領書を示した。山川刑事は監督局汚職を摘発したが、仕立屋銀次の現行犯は遂にあげることが出来ず、銀次は、おさよの面影を胸に旅に出るのだった。

解説

「桃太郎侍(1963)」の八尋不二がオリジナル・シナリオを執筆、「雲を呼ぶ講道館」の弓削太郎が監督した明治もの。撮影もコンビの宗川信夫。

1965年10月16日より

  • 配給
  • 大映
  • 製作国
  • 日本(1965)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト