海底犯罪No.1

かつて毎朝新聞の敏腕記者であった二宮二郎は、今は一匹狼のトップ屋であった。その頃、経済界では悪名高いアプレ実業家丸橋の持船長江丸の沈没をめぐって、経済界は沸いていた。猪関が主宰する「政界トピックス」は、保険金めあての自沈だと報道したが、二宮はその事件の真相を糾明するよう、週刊近代より依頼された。だが時の渦中で、丸橋は保険金の権利放棄を声明した。二宮はふとしたことから知りあった、猪関の義妹すみれとベッドを伴にしながら、猪関の轢死を聞いた。早速猪関の家を訪れた二宮は、写真屋の届けた一枚の写真に、猪関が丸橋と二号の夕子、ホステス風のかおるという女と一緒に写っているのをみて愕然とした。猪関と丸橋はぐるだったのだ。猪関の死には疑惑がある。だが猪関の死は単純な事故死と断定された。その上、やっと探しあてたかおるは、猪関が「今に二十億余の金が手に入る」と言ったと告げたまま、一夜明けるとベッドの上で死んでいた。ドス黒い組織が、二宮の上に手を伸ばし始めたのだ。警視庁では、当然二宮を取調べた。だが証人に呼ばれたすみれは、二宮の嘘の証言に、何故か口をあわせると、今度の事件から手をひくようにと言って、姿を消した。そして、週刊近代は、上部の命令で取材停止となった。だが二宮の足は追跡をやめなかった。数日後、丸橋が大阪に発つ事を知った二宮は、すみれが同じ飛行機に乗り込むのを見た。すぐ後を追った二宮は、すみれの父から、猪関と丸橋それに田川という三人の男が敗戦直前中国から帰る途中××岬で沈没した軍船の生き残りであったと聞いた。××岬とは長江丸が沈没した処である。長江丸を担保に銀行から三千万円借りていた丸橋は、その銀行が保険会社の筆頭株主であったことを狙って、作為を働かせていたのだ。長江丸沈没は、物資を積みこんだ軍船をひきあげる擬装なのだ。そして物資は何か、十八年間も塩水の中で腐食しないもの。それはダイヤだ!二宮はボートを岬に向けた。サルベージ船の甲板の上、二宮に飛びかかった男がいた。田川だ。二宮には、田川の顔は見覚えがあった。保険会社の社員の中村だ。田川の手の中で光る拳銃。彼もまた丸橋の人形だったのだ。だが田川が仕かけた時限爆弾は、いま海底で爆発しようとしている。応援にかけつけた警官の見守る中、夢に見たダイヤをのせたまま、船は大破した。

解説

竜茂樹の“謀略海峡”より「悪女」の下飯坂菊馬が脚色「現代インチキ物語 騙し屋」の田中重雄が監督したアクションもの。撮影もコンビの高橋通夫。

1964年9月5日より

  • 配給
  • 大映
  • 製作国
  • 日本(1964)
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