鬼検事

官界へ多額の賄賂をばらまいた疑いで極東造船を追求申の東京地方検察庁は、北斗銀行から大金が引き出された事実を手がかりに極東造船の責任者権藤らを逮捕した。が証拠書類が煙滅され捜査は暗礁に乗りあげた。捜査にあたった鬼検事野上は、北斗銀行の顧問弁護士石丸が贈賄先のリストのメモをかくしていることを村田から聞き出し石丸を召喚した。事件は簡単に解決と見られたやさき、証人村田は自殺し、石丸は口をとざしたまま釈放された。こんな時、グレて刑務所入りしていた野上の長男英一が出所してきた。英一は法律にしばられ人間味のない判決をする父を嫌い、ヤクザの世界にとびこんだのだ。英一を救うのは今がチャンスだと周囲の好意は野上親子の和解につとめたが、頑固な親子は受け入れようとしなかった。時を同じくして、英一は親分の三立興業社長工藤から人殺しを命ぜられた。相手の名前は英一の父野上だった。驚く英一に他の二人の殺し屋は乗り気だった。思いあまった英一は明男に連絡し父の護衛にあたったが、野上は役所帰りの電車の中で、刺殺された。その瞬間英一の心の中に父への愛情と、工藤への怒りがこみあげた。三立興業へとってかえした英一は、そこに振出人の名がひきちぎられた北斗銀行の小切手を掴んで死んでいる工藤を見た。父の死は極東造船事件とつながっている……。搬出人こそ父の敵だ。唯一の手がかりは石丸だ。石丸の行きつけのクラブで、石丸が風間という男と通って来る事や、マダムの由紀が石丸の情婦であることを突き止めた英一は、恋人の梨枝を潜せ石丸と風間の会話をテープに採らせた。それによると風間は前産業大臣と結託し権藤から三億にものぼる大金うけとり政界へばらまき、メモを手に入れた石丸が風間をゆすっている事を聞いた。由紀のアパートにのりこんだ英一は石丸が東京駅のロッカーにメモをあずけている事を吐かせたが、石丸もすでに殺されていた。風間の仕組んだ罠は大きかった。英一は、風間を追い乱斗の末ついにメモを手に入れたが、それも風間の作略で焼き捨てられた。英一は最後の手段に出た。車に風間をさそい入れ、谷をのぞむ絶壁からフルスピードで谷底へ突っ込んでいった。

解説

「暴力団」の村尾昭がオリジナル・シナリオを執筆「東京アンタッチャブル 脱走」の関川秀雄が監督した推理もの。撮影は、「やくざの歌」の高梨昇。

1963年11月13日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1963)
  • ジャンル
  •  
  • スタッフ・キャスト