銭形平次捕物控

江戸の目明し明神下の藤造一家は、相前後して起った二つの殺人事件の捜査に当っていた。一つは偽造小判を所持していた中年男の変死体事件。いま一つは、偽造小判を見破って殺された古物商甲州屋伝兵衛事件である。早速大川端事件は下っ引きの文六と磯吉があたり、甲州屋殺しは、八五郎と新米下っ引きの銭形平次の二人が捜査にあたった。甲州屋殺しの凶器は、両刃のものと推察され、その凶器の洗い出しが捜査の重点であった。折も折、湯島天神の富クジの百両が全部偽造小判である事が解り、捜査は色めきたった。偽造小判の使用犯人は、湯島天神に二千両の寄付をしたお高宗頭巾の女であるという。人相書きが作成された。平次は甲川屋殺しの犯人は手裏剣の名手宇之吉とにらんだが、お高宗頭巾の女の身元も割れず捜査は難行した。やがてお高宗頭巾の女、実は踊りの師匠阪東小夜次が毒殺死体となってあらわれた。鑑定の結果毒物は、南蛮渡来の劇薬“しあん”だと判り、小夜次の世話をしていた御用商人回船問屋の堺屋庄兵衛が犯人と目された。しかし彼には幕府の後楯があり、捜査は行きづまった。大川端の変死体の身許が割れたのはこんな時であった。被害者三五郎は石川島の板金職人であり、三五郎はこの小判を盗んで逃げる所を殺害されたとみられた。石川島といえば幕府の一機関である。江戸を不況の底に追い込んだ偽造小判は石川島で鋳造され、堺屋の手を通してバラまかれていたのだ。事件の中心人物は幕府の要人の中にいる、平次の目に狂いはなかった。奉行所与力笹野新三郎、八五郎、文六、磯吉とつづく御用提灯の波のなか、平次の一番手柄の晴れ姿がひときわ若々しかった。

解説

野村胡堂の原作より「警視庁物語 全国縦断捜査」の長谷川公之「恋は神代の昔から」宮川一郎が共同で脚色、平山亨が監督した新捕物シリーズ第一篇。撮影は「新吾二十番勝負 完結篇」の川崎新太郎。

1963年10月13日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1963)
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