夜霧の上州路

上州玉村宿一帯を暴れまわっていた島村一家の親分重蔵を叩っ斬った国定忠治一家は追われる身となった。同じ頃、玉村宿の大名主仁左衛門の姉娘お絹に代官小谷甚五郎の甥伊三郎との縁談がもち上った。良縁を喜こぶ仁左衛門夫婦をよそに、ふとしたことから自分の出生の秘密を知ったお絹は屋敷をとび出してしまった。お絹は仁左衛門の養女で実の父は国定忠治であったのだ。宿外れの茶屋にふらり入って来たお絹は、居合わせた忠治一家の板割浅太郎とウサを酒でまぎらすが、たまたまいじったサイコロに鮮やかな腕をみせ、隠せぬ血の流れを感じるのだった。一方、甚五郎は伊三郎の嫁に今度は妹娘のお美津をのぞみ、仁左衛門の財産を狙う甚五郎の計略とも知らぬ夫婦は同意した。お絹は島村一家の賭場に現われてさんざん打負かすが、根に持った一家に襲われ駈けつけた浅太郎に救われた。追われる身となった浅太郎が旅に出て数日後、お絹の前に現われた忠治はヤクザの非を諭し、堅気になってお絹と一緒になろうという浅太郎の腹を知らせた。その日からお絹は娘らしく身辺を整え、伊三郎お美津夫婦の仲のよい所を見るにつけ、旅先からの浅太郎の便りに幸福をかみしめるのだった。一方、本性を現わした甚五郎は仁左衛門毒殺を伊三郎に迫り、お美津に子供が出来た今、暖い生活に浸る伊三郎は苦悩した。ついに意を決して手を引くことを頼むが、怒った甚五郎は仁左衛門を闇討にかけてしまった。急を聞いたお絹は単身甚五郎の屋敷へ殴り込み、忠治一家も駈けつけた。そして、旅から帰ったばかりの浅太郎の応援を得たお絹はついに親の仇甚五郎を討ち取ったのだった。

解説

「柳生武芸帳 片目の十兵衛」のコンビ、高田宏治が脚本を執筆、内出好吉が監督したやくざもの。撮影は萩屋信。

1963年4月6日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1963)
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