右門捕物帖 卍蜘蛛

松もとれぬ江戸に連続殺人。殺されたのは歌舞伎役者沢村鶴之丞と吹替え役虎松、いれも赤い矢で胸を射抜かれていた。むっつり右門は、虎松の胸にあった卍蜘蛛の刺青にカギがあると睨む。虎松殺しの現場の荒れ寺から南蛮渡来の金銀細工と下田唐人廟の護符、血のついた手拭が出てきた。一方、あばたの敬四郎は鶴之丞の娘みすずの部屋へ逃げこんだという浪人の探索に躍起。が、右門は、海猫の権十郎という労咳やみの片眼の島抜け人を鶴之丞が殺された日、乾分の伝六が見かけたということから、かの浪人を犯人でないと断定した。浪人が石川弥太郎という名の煙草入れを落していったこともわかった。また例の手拭も権十郎のものと推理された。権十郎を探せ。……右門は彼が牢にいることを知った。そしてその胸には卍蜘蛛の刺青。ところが権十郎は牢破り、これを合図に第三の殺人。殺されたのは金貸しの鬼源で胸にはまたも卍蜘珠。現場には下田への地図一枚。記録を調べた右門は石川弥太郎が三年前切腹していることを知った。石川は下田奉行所の外事係をしていて海賊卍蜘蛛と結託、ポルトガル船から金貨を奪ったというのだ。右門は虚無僧に化けて下田へ。途中、歌川巨泉と名のる狩野派の絵師に出会った。右門は下田奉行所松浦茂之を訪ね、石川の当時の上司片桐外記なる人物の居所を聞く。が外記の行方は判らず、左頬にアザのある男としか判らない。この日海辺に女の死体、鬼源の女房由良だった。夜、右門は料亭如月で山城屋と名のる織物商にからまれる芸者お染を救った。お染は伝六の叔母で下田で旅館黒屋を営むお兼の娘。如月からの帰途、右門は黒覆面の一隊に襲われたが、若い浪人が助太刀に現れた。彼は石川の弟杉弥だった。杉弥の後を迫って鶴之丞の娘みすずがきた。大黒屋で右門は狩野派の筆による屏風を見かけた。お兼の話から、左頬にアザのある奉行所の役人が書いたものと知った。三年に一度の唐人祭りが来た。唐人廟の鉄扉がお鍵娘の手であげられ中から木函が運び出された。その夜、網元才兵衛の邸の一室では、木函一杯のポルトガル金貨を中心に才兵衛、山城屋、巨泉がほくそ笑んでいた。三人は卍蜘蛛の中心人物、才兵衛は抜荷買い専門の悪党で、混血娘お蘭をお鍵娘に仕立て、隠匿した金貨を運び出したのだ。巨泉こそは石川の上司片桐外記で、罪を石川にきせると、自分は江戸に逃れ鬼源に化け、部下の権十郎が現われると、これを殺して鬼源に仕立て絵師に化けたのだ。その時お蘭が短銃を持って現われた。そして右門も−−才兵衛はお蘭の身代りになって倒れた。山城屋の前にも御用提灯の波が打った。

解説

佐々木味津三原作の右門捕物帖から「霧と影」の高岩肇が脚色。「暴れん坊一代」の河野寿一が監督した捕物篇。撮影は「若君と次男坊」の伊藤武夫。

1962年1月28日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1962)
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