悪親分対代貸

万太郎は、天王寺公園で捨てられていた赤子を拾い、大阪一の極道に育てようと決心した。それから三十数年後の昭和七年、大関勇と名ずけた万太郎は、ついに大阪、玉造に井戸万一家をあげ、子分も十数人にのぼった。玉造界隈を縄張りとする財部組の代紋を狙う万太郎は、病身の財部組二代目の息子健三を人質に、二代目の妻ふくと万太郎との縁談を迫る。こうして財部組三代目を継いだ健三の行動は万太郎が握ることになった。近々始まる新大和大橋架橋工事に目をつけた大関は、浪花徳に近ずき、大和川を縄張りとする丸伍組との間で入礼をもって競うことになった。大関は土木課長の田所をまるめ込み、その結果、丸伍組の八十万に対し、財部組は七十九万九千八百円と発表された。数日後、大関とさと江は丸伍組員に襲撃されるがその二人を助けたのが恩赦で出所した村瀬半次郎だった。一方工事が進むにつれ、健三の不安が高まっていく。万太郎の命令で、大関は、セメント、鉄材らはすべて二級品しか使用していないのだ。その心配は適中し、大阪を襲った豪雨のため、完成間近な大和大橋が数人の作業員の命と共に流されたのだ。その責任を感じた田所は一家無理心中を計った。健三とふくは万太郎と大関を殺す決心をするが、逆に大関に穀されてしまう。万太郎の野望は浪花徳一家の縄張りへと向けられた。飛田で賭場を開く万太郎は、かけつけた村瀬に浪花徳との縁組を迫り、断わられるや、子分たちに村瀬を襲わせる。だが村瀬は強く、万太郎は顔面を斬られ、とどめを迫る村瀬の前で大関は指を詰めわびを入れた。翌朝、村瀬殺しを万太郎に伝え、その条件として、万太郎の身を案じる大関は浪花徳には手を出さぬよう約束させる。親分衆の寄合いで財部組の代紋を浪花徳が預かる事に決まり、万太郎は大阪から所ばらいとなった事を知ると大関はなぜかホッとして村瀬を襲う。激突の末、大関のドスが村瀬の腹をえぐった。だがその大関に万太郎の拳銃が火をふいた。全身傷だらけの大関は一歩一歩万太郎に近ずいていった。

解説

無法な新興やくざの代貸として大阪に悪名をとどとろかせた男の秘められた人間性を描く。脚本は「関東兄弟仁義 仁侠」の高田宏治。監督も同作の斎藤武市。撮影は「女渡世人 おたの申します」の山岸長樹がそれぞれ担当。

1971年10月1日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1971)
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