愛と死

水産研究所の研究員大宮雄二は、長かった四国の勤務を終えて横浜に帰ってきた。そして高校時代からの親友野島進の恋人仲田夏子と、テニスを通じて知り合った。ある日、大宮は夏子の誕生パーティーに招待され、無意識のうちに夏子に魅せられている自分に気づき愕然とした。大宮はその時から極力夏子をさけようと努めたが、野島から満たされないものを感じていた夏子は積極的に大宮に愛を打ち明けた。大宮は、友情で結ばれた野島の事を思うと、自然と夏子へ傾きかける自分の気持を許すことができなかった。大宮は、八戸の研究所へ二カ月間勤務することを申し出た。その夜、大宮のアパートに夏子が訪れた。夏子は、野島には愛情を感じていなかったといった。二人が歩く姿を野島に目撃されたのをさかいに大宮の心は激しく夏子を求めるようになった。夏子への愛は、野島との友情さえも断ち切ってしまう程強くなっていった。八戸に出発する日が近づいたある日、大宮は夏子の両親に会い、夏子との結婚の許しを得た。大宮は、その足で野島に会い、自分の不義を詫びた。野島は何もいわず大宮を殴り倒した。出発の日、大宮は、自分の両親に引き会わせるため夏子を連れ秋田へと向かった。二人は大宮家で二カ月間の別れを惜しんだ。一人で東京に帰った夏子は一日も欠かすことなく大宮に手紙を書き、二カ月間の時間がたつ事のみを祈った。八戸に向った大宮も同じ気持だった。手紙は毎日書くという別れ際の約束も破られる事なく時間は流れていった。そしてあと二日で会えるという日、大宮のもとに夏子の父修造からの電報が届いた。大宮は震える手で電報を読んだ「ケサ十ジ、ナツコ、バクハツジコニテシス。ナツコ、バクハツジコニテシス。カナシミキワマリナシ」

解説

武者小路実篤原作の「友情」と「愛と死」をもとに山田太一が脚本化した。監督は「甦える大地」の中村登。撮影は「めまい」の竹村博がそれぞれ担当。

1971年6月5日より

  • 配給
  • 松竹
  • 製作国
  • 日本(1971)
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  • スタッフ・キャスト