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昭和ひとけた社長対ふたけた社員

世は合併時代、奈良田真介の勤める丸菱製鋼も合併し大日本製鋼となった。社員数が倍になり、丸菱製鋼取締役開発部長真介は、うまくいって課長に格下げ、下手すればクビになるという複雑な心境だった。ところが、明治生まれの高松社長は真介を新しくできた子会社の洋々産業の社長に任命したのだ。「鬼の奈良田」といわれるように、ビシビシ社員をコキ使えといわれたものの、真介は、昭和ひとけた生まれの若い社長。理解と人間性に富む社長になろうと決意した。丸菱製鋼の猪狩、珍田の両名も重役となり、もとの倉庫の事務室で、開発部の仕事を拡大強化した洋々産業の仕事が開始された。はりきる真介は、若手を起用しようと、開発部の係長だった甘利健一を特別に引きぬこうとする。昭和ふたけた生まれの典型の甘利、大会社だから大日本製鋼に入ったのに、チャチな子会社などに行く気はもちろんない。ハッキリ断わるつもりだったが、真介の娘節子を見て、その美しさにまどわされ「人生意気に感じ、義理と人情に生きます」と心にもない事をいって新会社に移動した。その他、早川、上杉、松本ユリ子ら、昭和ふたけたのメンバーが勢揃い、皆不平をいいながらも、初仕事の空気清浄機の試作に取組んだ。しかし、新時代の経営者だからと、理解ある社長のようにふるまう真介の命令を、昭和ふたけた社員たちは、社長なんかなんのそのという態度。試作品第一号は不快音の連続で失敗。ある夜、真介は三年前に死に別れた妻にそっくりの民子が経営するバーで軍歌を聞いてから、今までの方針をすっかり変え、軍隊式に特攻精神で、全員一丸となって働こうと力説するようになった。それが成功したのか、昭和ふたけた生まれの三人は、空気清浄機を花瓶に組み込ませるという面白いアイディアを考えだす。三人は、さっそく太陽電気へこの話を持ち込んだ。ところが太陽電気の三浦社長は、そのアイディアを横取りしようとしたのである。高松社長の了解ずみだというのである。その上、真介が心ひかれたマダム民子は、高松社長のお気に入りだと告げる。子会社のつらさ、三等社長の悲哀、真介はガックリしてしまう。それを聞いて立ち上ったのは、なんと仕事よりも恋だ遊びだといっていた昭和ふたけた生まれの甘利、早川、上杉だった。昭和ひとけたは、体制や権力に弱すぎる、ナンセンスと口々に、高松社長のところへ乗り込んで行くのだった。昭和ひとけたも、ふたけたも同じ社員、同期の桜だったのだ。

解説

二代目社長森繁久弥に代って三代目の小林桂樹が登場の社長シリーズ三十五作目。脚本は「激動の昭和史 軍閥」の笠原良三。監督は「喜劇 三億円大作戦」の石田勝心。撮影も同作の志賀邦一が各各担当。

1971年5月22日より

  • 配給
  • 東宝
  • 製作国
  • 日本(1971)
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