タリラリラン高校生

城台高校三年生の南郷圭は、銭ゲバという異名をとる秀才。彼の母は、彼のために貧しい中からためた大学進学の金には手をつけず、ろくな医者にもかからずに死んでいった。それ以来圭は父親に頼らず、独力で大学に進み、医者になることを夢みていた。朝は牛乳配達、夜はデパートの配送、そして友達のコピー取りという生活を送る圭と、クリーニング店を経営している父親との間は離れていった。ある日圭のクラスに転入生がきた。授業に遅れた上に、オートバイのエンジンを響かせてやってきた男、大日方竜次は、留年、退学の経験者であり、警察沙汰にもなっているという。そして体育の時間以外は見向きもしなかった。数日後、クラブのホステスをしているルミのマンションに洗濯物を届けに行った圭は、そこで竜次にあった。圭はあ然とするが、自分とはまったく違った世界に生きる、獣のようなこの男になぜか心を魅かれるのだった。圭は、その頃雀の涙ほどの金のためにバイトバイトの毎日にいや気がさしていた。竜次と組んで、お互いの長所を持ち寄れば強力なコンビになると竜次に話を持ちかけた。相談がまとまり、手始めとして、翌日、最初のカモに選んだのは、信用金庫の井口支店長だった。首尾よく二十五万円をせしめ、強い連帯感で結ばれた竜次は、圭に母のことを打ち明けた。竜次の母は、父の異母兄と関係を結び、その母を憎むことができず竜次は苦しんでいるという。二番目の目標も何なく成功したが、第三の計画中、竜次に母の死が知らされた。そして竜次は、オートバイでガードレールに激突し、事故か自殺かわからないまま死んでいった。残された圭は、竜次が、自ら自分の後始末をしたように、警察に自首した。

解説

日常満たされない生活をするのは、世の中に何かが足りないからであり、自分たちにも何か欠けるものがあるからだという発想から生まれたタリラリランとは、高校生の一部で流行しはじめた新語。ゲバ棒をふり廻すまでにいたらないグループの、いわば社会に対するささやかな反抗精神と、自分自身に対する卑下した気持も含めたシニカルな意味あいをもっている。脚本は安本莞二と田口耕三の共同執筆、監督は「高校生番長 ズベ公正統派」の田中重雄、撮影も同作の中川芳久がそれぞれ担当。

1971年2月17日より

  • 配給
  • ダイニチ映配
  • 製作国
  • 日本(1971)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト