喜劇 男売ります

「ポリプテ出版」の社長、岡村は相変らず借金取りに追いまくられ、資金ぐりに急がしい。狭い事務所は足の踏み場もないほど返本の山、鳴り続ける電話は、家賃の滞納、印刷代金の未納など借金の催促ばかりだった。そんな末期的症状の中でも岡村は泰然自若として、持ち前の絶倫とテクニックをフル回転して遊び廻っていた。かつて岡村と同人雑誌の仲間で文学青年だった松崎も、あざやかに百八十度の転換をみせ、いまでは、新手のセックスものを次々に発表している売っ子の失神作家として活躍していたが、実は小説とは裏腹にセックスに対しては自信がなく、いつも〆切まぎわまでにアイデアが浮ばず七転八倒の苦しみを味わい、岡村から話のネタをもらっていたのだった。そのために松崎の妻、歌子は亭主の小説に出てくるような性豪と一度でも手合せしたいという欲求不満に陥り、岡村の妻正子も、岡村の、女房などとロハのセックスはしないという主義のおかげを破り、これまた欲求不満に陥っていた。忍従の暮しに、カンニン袋の緒をきった二人は、アバンチュールを求め、ホストクラブに出かけるが、根が純情なだけに何もできずに、すごすごと退散してくる。一方岡村は、五十万円の金策に困り、松崎に相談するが、意外にも松崎からは、日頃から攻められている歌子を失神させてくれれば五十万円出すという返事が返ってくる。夫婦交換−−もし、それができれば松崎にもアノ春がもう一度よみがえるかもしれないというのだ。

解説

佐藤愛子の『忙しいダンディ』と『あゝ戦友』から「でんきくらげ 可愛い悪魔」の白坂依志夫が脚本化し、監督は「豹は走った」の西村潔。撮影は鷲尾馨がそれぞれ担当。

1970年10月3日より

  • 配給
  • 東宝
  • 製作国
  • 日本(1970)
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  • スタッフ・キャスト