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博徒仁義 盃

大正の末期。吉原遊廓をとりしきる下河原一家の若い衆直次が無頼漢を斬ったことから刑務所入りし、三年の刑を終えて出所してみると、親分利平は代貸菊太郎に跡目をゆずった後だった。菊太郎は、利平の兄弟分大貫仁三郎にそそのかされ土木請負で利権の悪ザヤを稼いだり、娼婦の上り銭をカスメ取るなど勝手仕放題なことを始めていた。その卑劣さは関東赤心七人会に加わるとますます激しさを増していった。病身の利平にはそんな菊太郎をいさめるすべもなく、その暴走を黙って見守る他はなかったが、娘のお俊はやくざを嫌い、家を出て近くの保育園で娼婦たちの子供の面倒をみながら生活していた。そのころ吉原の教会には新しい牧師戸倉建次が赴任し、娼婦たちに自由廃業を説いて廻るが、その動向はすぐ、大貫や下河原一家の目にふれ命を狙われ始めてしまう。しかしそんなやくざの動きなど意に介さない戸倉は、ある日瀕死の娼婦お雪を身受けして病院に入れてやる。お雪はもと下河原一家の若い衆、勘五郎の妹だったが、兄が喧嘩で死んだ後、大貫に借金したのがもとで娼婦に身を落さなければならなくなり、そんな身の上をはかなんだお雪は、自殺未遂の末、下河原一家のリンチを受けたのがもとで血を吐いて死んでしまう。そんな出来事が娼婦たちを刺激し、更に戸倉の布教が油を注いで、教会に通う娼婦たちが日増しにふえていった。処置に困った大貫は最後の手段として教会に火を放つが、その火は飛火してお俊の務める保育園までも焼きつくしてしまう。一方菊太郎は、下河原一家を我物にと狙っている大貫の下心に気づき、教会に放火した犯人も大貫だと気づくが、大貫の陰謀で敢えなく子分の新介とともに斬殺されてしまう。直次は、親分利平と先代の金看板のために我慢をし続けたが、大貫のあまりの悪らつさに遂に最後の怒りを爆発させる。時を同じくして、教会を焼かれた戸倉も激怒に身をまかせ僧衣を捨てるとドスを握って立上る。屋台で盃を酌交した直次と戸倉の二人は夜の道を大貫のいる下河原一家にと静かに進んでいった。

解説

仁侠に生きる男の厳しさを謳いあげる。脚本は「遊侠列伝」の大和久守正、監督は「新兄弟仁義」の佐伯清。撮影は「関東テキヤ一家 喧嘩仁義」の増田敏雄がそれぞれ担当。

1970年8月28日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1970)
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