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お母さんのつうしんぼ

夕子の担当の有波先生が始業式を休んだ。ショックを受けた夕子は作文に「私の入学式の時、お母さんは仕事が忙しくて、きてもらえませんでした。私も有波先生みたいなお母さんが欲しいと思いました」と書いた。小学校五年生の夕子はお母さんと弟の広志と三人で団地に住んでいる。お父さんは夕子が小さい頃亡くなり、お母さんは出版社に勤めている。「ママ、今度の土曜日、早く帰ってね。学校で習ったスパゲッティを作ってあげる」夕子とそんな約束をした母の和子は、その日が自分の誕生日であることを気づいていない。夕子と広志はハリキって、スパゲッティはもちろん、友だちに借りたラジカセに“ハッピー・バースデイ・トー・ユー”を録音したりしてお母さんを待っていた。ところが、その日も和子は仕事で遅くなり、夕食をすませて帰ってきたのは夜も十時を過ぎてからだ。和子は夕子にあやまろうとしたが、腹を立てて部屋から出てこない。翌日、夕子と広志がいなくなった。二人は長野のおじいちゃんを訪ねていたのだ。和子は今度こそ休暇を取り、子供たちとゆっくり話しあおうと考えた。「子供にとって、親の愛に触れることが何よりも大切」と有波先生も大賛成。緑の自然が目にしみる信州の田舎。夕子と広志に会った和子は二人を村の鎮守様に連れて行く。そこで、お父さんとお母さんが、二人が元気に育つようにと祈って書いた絵馬を見せた。「嵐の夜、仕事中に亡くなったお父さんは“どんな仕事でも、あたえられたら責任を持ってやりとげること、そして、子供たちを勇気があって、優しくて、人を頼らない子に育てるまえに親がまずお手本になろう”といつもいっていた」と話す和子。お母さんの言葉に夕子は、心の中で“ママに満点をあげちゃおう”とつぶやいた。そして、広志といっしょに「お父さーん」と青い空に呼びかけるのだった。

解説

主人を失い、二人の子供を働きながら育てる母と子供たちのふれ合いを描く。宮川ひろの同名の小説の映画化で、脚本は勝目貴久と「元祖大四畳半大物語」の熊谷禄朗の共同執筆、監督は「おんなの細道 濡れた海峡」の武田一成、撮影は「赤い通り雨」の前田米造がそれぞれ担当。

1980年10月18日より

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  • その他
  • 製作国
  • 日本(1980)
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