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超高層ホテル殺人事件

真赤に燃える夕焼空に突き刺さるように聳えたつ地上62階の超高層ホテル“イハラネルソンホテル”。このホテルこそ一介の土建屋からのし上がった猪原留吉の、長年の夢の象徴である。この日、知名人を招待しての盛大なパーティが行なわれている。次々と到着する知名人の中に、留吉のライバルの財界の大物・浅岡哲郎、敏彦親子の姿もあった。やがて、雄大なビルに十字架のイルミネーションが輝き、光の洪水の中に浮かび上がった。その時、一つの黒い人影が十字架の光の中を落下した。落ちたのはホテルの総支配人ソレンセンだった。このショックで留吉はホテルの完成を見ずして倒れたため、息子の杏平は父の意志を継いで、ホテルの完成を目ざした。だが、資金ぐりで行き詰っていた。浅岡親子の妨害が激しかったからだ。そんな苦しむ杏平につきまとう一人の男がいた。冷徹な野心家の秘書・大沢である。波はソレンセン殺害の共犯者なのだ。一方、警視庁の那須警部、村田刑事が鋭い眼で杏平にまつわりついていた。そんなある日、杏平は敏彦の妻・友紀子と再会した。数年ぶりの再会は二人を自然な形で結びつけ、燃え上がらせた。だが、この危険な逢瀬を大沢が嗅ぎつけ、杏平をゆすったために、杏平は大沢を殺した。一方、友紀子も、嫉妬に狂った夫・敏彦を誤って殺してしまった。杏平と友紀子は、二つの死体をセスナ機に乗せて始末し、アリバイを巧みに作った。一方、イハラホテルは、株を買いしめた浅岡に奪われそうになったが、友紀子は敏彦が税金のがれのため彼女の名儀で買いあさった株券を杏平にさし出した。杏平は遂にホテルを亡き父の意志を継いでオープンにこぎつけた。だが、その日が杏平と友紀子の破局の日でもあった。那須警部や村田刑事の執拗な捜査は三つの殺人事件を一つの線上に結びつけたのだ。すべてを異母兄弟の竹原に託した杏平は、パトカーのサイレンを振り切って、友紀子とともにセスナ機に乗り、大空へ舞い上った。そして数日後、北アルプスの山中でセスナ機の残骸が発見された。

解説

巨大なホテルを舞台に熾烈な経営争いと、それに捲き込まれる人間たちを、三つの殺人事件を通して描く。原作は森村誠一の同名推理小説。脚本は「暴力金脈」の野上龍雄と「必殺仕掛人 春雪仕掛針」の安倍徹郎、監督は「童貞(1975)」の貞氷方久、撮影は新人・宇田川満がそれぞれ担当。

1976年4月3日より

  • 配給
  • 松竹
  • 製作国
  • 日本(1976)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト