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友情

三浦宏、22歳、学生。友部紀子、24歳、OL。二人は小さなアパートで同棲しているが、宏は昨年父を亡くし仕送りのない現在、紀子の給料と宏のアルバイトで学生生活を送っている。そして、宏は同棲生活に疲れを感じ始めていた。宏は、二カ月の約束でダム工事現場で働くことになった。宏が矢沢源太郎と会ったのは、工事現場に行く途中だった。源太郎は工事現場で働いているが、昨夜、町で遊びすぎ、朝帰りするところだった。宏は懸命に働いた。「そんなやり方じゃ、すぐばてるぜ」源太郎の言った通り、初日の夜から、宏は足腰が痛くて源太郎に揉んでもらった。二週間が過ぎた頃、東京の紀子のもとに、彼女の父親がわりの叔父、友部順吉が、宏と別れさせようとやって来たが、紀子はきっぱりと断った。その頃、工事現場で、宏の乗ったトラックが横転、宏は左腕を骨折した。駆けつけた紀子は、意外に元気な宏を見て思わず涙を流した。やがて、退院した宏は東京へ戻った。数カ月後、源太郎が上野で喧嘩に巻き込まれて留置場で一夜を明かし、宏が身元引受人になった。出所した夜、二人だけの宴が宏のアパートで始った。しばらくして帰って来た紀子を交えて三人は乾杯した。翌朝、宏と源太郎が食中毒をおこし、紀子は会社を休み看病した。そんな時、順吉がやって来て、ふたたび別れ話を持ち出した。痛む腹をおさえながら三人の話を聞いていた源太郎だが、順吉のしつっこさに、ついに怒りが爆発した。「いいかげんにしろ、ジジィ!」。元気になった源太郎が、瀬戸内海の工事現場に行くというので、宏も一緒に着いて行った。この旅で源太郎は、瀬戸内海の故郷・真鍋島のことを話した。島を出て5年、一度も帰らず、今では送金もしていないので、帰りたくても帰れない、と言う。そして、女房、子供に会いたい一心から、宏をともなって帰る決心をした源太郎だが、出航寸前に船を降りた。一人で真鍋島に行った宏は、島の旅館の主人、友吉から、源太郎一家の現状を聞いた。源太郎の仕送りが切れて生活に困った妻の加代は二人の子供と、源太郎の父、松吉を連れて、源太郎の幼な友達、健太と再婚し、今では幸せに暮しているという。源太郎も島へやって来た。宏はすぐに島を出て行くように言うが、源太郎は家へ行った。子供たちは源太郎の顔を覚えてはおらず、健太を「父ちゃん」と呼んでいた。全てを察した源太郎は、無理に作った笑顔を残して去った。全てを失った源太郎は、広島の工事現場へ行き、宏は東京に戻った。宏は源太郎との出会いと別れまでを思い出しながら、紀子とやり直す決心をしていた……。

解説

目的の定まらぬ若者と、妻子を捨て、故郷を捨てながらも、苦しみを内に秘めた中年男との心のふれあいを描く。脚本・監督は「想い出のかたすみに」の宮崎晃、撮影は「昭和枯れすすき」の川又昂がそれぞれ担当。

1975年11月29日より

  • 配給
  • 松竹
  • 製作国
  • 日本(1975)
  • ジャンル
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