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襟裳岬

ファッションの町・原宿。そこに野々宮靖子が勤めているブティックがある。靖子は新米のお針子で、仕事は他の二人よりも遅れぎみだが一所懸命に働いている。ある日、アパートに帰る途中、八百屋に寄った時に、高価な布地を入れた風呂敷包みを、店先に停まっていたトラックの荷台に置き忘れてしまった。気がついた時にはすでにトラックはなく、店の主人もどこのトラックか知らないと言う。その時、偶然通りがかった五郎という青年の機転によって、風呂敷包みは無事靖子の手に戻った。春の展示会も終って一息ついた靖子は、五郎とばったり会った。五郎は、故郷・襟裳岬から冷凍倉庫の仕事見習いのために東京に出て来ていると言う。それ以来、二人はデートを重ね、やがてほのかな愛が芽生えていった。そして、雨に降られたデートの時に、二人は靖子のアパートで結ばれた。翌日、約束の喫茶店に、五郎は現われなかった。その頃、五郎は急病に襲われ、同郷の友人・俊一につきそわれて病院に運ばれていたのだ。五郎のアパートを訪ねて、あわてて病院に駆けつけた靖子だったが、すでに五郎は息をひきとっていた。身寄りは襟裳にいる姉一人、という五郎の葬儀を、靖子は自分の貯金をはたいて無事行なった。その夜、靖子は五郎の遺品を胸に抱き一人泣き明かした。翌日、いつも故郷に帰りたがっていた五郎の遺骨を胸に、靖子は俊一とともに襟裳に旅立った。五郎の埋葬を終えた二人は、襟裳岬に向かった。襟裳岬に立ち、海を望んだ時、靖子の両頬に涙が伝い流れた。「五郎さーん!わたしどうすればいいの」俊一にとびつき、泣きじゃくる靖子。ラーメン屋で肩をよせあって食べている靖子と俊一。「わたし、もう一度襟裳へ来るわ。一年たとうと、二年たとうと……」。靖子は一人、襟裳を離れるのだった……。

解説

ヒット曲「襟裳岬」を主題曲にした歌謡映画で、都会で生活する若者たちの故郷への回帰心を描いた青春映画。脚本は「赤線本牧チャブヤの女」の佐治乾、監督は「秘本袖と袖」の加藤彰、撮影は「実録おんな鑑別所 性地獄」の前田米造がそれぞれ担当。

1975年4月1日より

  • 配給
  • 日活
  • 製作国
  • 日本(1975)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト