恐怖のヤッチャン

ある新興学園都市。ちょっと気弱な井上鉄、カッコマンの田中春樹、陽気な小山明夫の三人は、近所の小学生とジリオン(光線銃)を片手に興じる高校生トリオだ。この平和な街に突如出現したぬいぐるみ劇団。善良な市民は何の疑念もなく歓待するが、彼らは街のコミュニティーセンターの部屋の貸借契約を結ぶやいなや、ヤッちゃん軍団に大変身し、同センター内のCAテレビを占拠した。ひよこ一匹=一万円、たこ焼き一パック=五千円と次々にヤッちゃんの餌食になる住民たち。その頃、鉄は転校生の陣内くるみに一目惚れし、愛の告白をした。だが、くるみが陣内組組長のひとり娘と知り、恐怖心におびえる。一方、陣内組はひと儲けしようと一口三万円の「組員町民合同懇親旅行」を企画した。鉄たちの担任、さち子先生も誘拐さながら連れてゆかれ、宴会で無理矢理酒を飲まされるが、ヤッちゃん相手に大タンカを切り、挙句の果てに鉄たちをヤッちゃん事務所に従弟に出してしまう。正続任侠道の講義に親分のふんどし締め、組事務所の清掃、仁義の切り方伝授とやわな三人の悲惨な修行が始まった。そんな時、強大なヤクザ組織、任侠会がやって来た。実は戦い破れて任侠会のシマに勝手に入り込んだ陣内組に制裁の手を伸ばしてきたのだ。任侠会の跡目・橋場はくるみを嫁に欲しいと言い出す。「あんな変態いやよ」と鉄にすがりつくくるみは駆け落ちを持ちかける。決意を固めた鉄はジリオンを手に、ヤッちゃんファッションで身を固めて橋場に勝負してくれと任侠会が詰める陣内組に出向いた。鉄のジリオンを本モノと勘違いした彼らは大騒ぎ、陣内組VS任侠会の抗争が始まった。鉄は乱闘の末、橋場を倒す。翌日、さち子先生と結婚するという組幹部、大河内を残して街を出て行く陣内組。それを見送る鉄は発車した電車めがけて追いかけるが、ホームには、ひとり残ったくるみの姿があった。

解説

やくざたちと青少年の抗争の日々をコメディータッチに描く。原作はニッポン放送「三宅裕司のヤングバラグイス」の中の「あなたも体験! 恐怖のヤッちゃん」を採録した単行本『恐怖のヤッちやん』。脚本は「BE・FREE!」の一色伸幸、監督は「みんなあげちゃう(1985)」の金子修介、撮影は「大奥十八景」の北坂清がそれぞれ担当。

1987年7月4日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1987)
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  • スタッフ・キャスト