沙耶のいる透視図

ビニ本のカメラマン橋口は、編集者の神崎とうまが合い、助手であるフリーカメラマンの島と三人で仕事をしていた。ある夜、橋口は神崎から沙耶という女性を紹介された。神秘的な表情に心魅かれ、強引にホテルへ誘い込むがあっさりふられてしまう。その時、沙耶が置き忘れたスケッチブックには、男の性器がケロイドで被われた春画風のデッサンが描かれていた。橋口は沙耶に興味を持つが、神崎は内田デザインルームに勤めていることと電話番号しか教えてくれない。早速、電話をするが冷い返事しか返ってこなかった。だが突然、沙耶の方から橋口に電話をしてきた。又も強引に抱こうとするが、沙耶は不感症だからダメだと告げる。数日後、伊豆ロケに行った橋口は、ビニ本コーディネーターとして神崎が連れて来た沙耶と再会する。その時、橋口はバスルームで神崎の太股のケロイドを見てしまう。その夜、沙耶は橋口に、以前分裂症で入院していた病院で神崎の母親と会い、神崎と知り合ったことを告げる。橋口は神崎のケロイドは、沙耶との愛の証でないかと思うが、神崎は事故の原因は母親だと言い放った。橋口と沙耶の関係は順調にいき一緒に暮らし始める。だが数日後、沙耶は橋口が何を言っても返事をせず、食べることも拒否しだした。途方にくれた橋口は家を出た。一カ月後、裏本で逮捕された神崎は出所した翌日、橋口を呼びだした。約束の場所には沙耶が横たわっていた。神崎はケロイドの真相を語る。心中か性という欲望を消し去るか二つに一つ、その結果、沙耶の眼の前で自分で熱湯をかけたのだったと。沙耶は性が愛を裏切ると神崎を追いつめたからだと橋口に告白した。橋口と沙耶が、神崎の部屋で彼を待つ頃、窓の外を神崎が逆さに落ちて行った。

解説

ビニ本の世界を舞台に三人の男女の愛と性を描く。伊達一行原作の同名小説の映画化で、脚本は「魔性の香り」の石井隆、監督は「南へ走れ、海の道を!」の和泉聖治、撮影は同作の佐々木原保志がそれぞれ担当。

1986年10月17日より

  • 配給
  • ヘラルド・エース
  • 製作国
  • 日本(1986)
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