ア・ホーマンス

新宿、歌舞伎町では大島組と旭会という二つの組織が対立していた。大島組の若手のホープ、山崎はシャブを捌くシマを失い、資金源はデート喫茶「ヴェルサイユ」だけとなり、イライラした毎日を送っている。そんな緊迫感に包まれた町に、沖縄ナンバーのバイクに乗った男がフラリと現れた。山崎はこの男を、関西から流れてきた鉄砲玉か刑事だと思い、若い者にアタリをつけさせた。しかし、男は圧倒的なパワーを見せ、彼に興味を持った山崎は「ヴェルサイユ」に置いてみることにした。男は淡々と働き、店のモメ事も一瞬で処理してしまう。男は過去の気億を失っており、山崎は彼を“風”と呼んだ。そして、店の女、ルージュは自分の部屋に風を招くと、関係を結ぶ。山崎はルージュと寝たのかと風に問いつめると、“ハイ”と答えるだけで、彼には何の束縛もないようだ。ある日、占い師の赤木は風を見かけ、アッと驚いた。赤木は風の過去を知っているのだ。彼はベトナム戦争に関わり、重傷を負っていた。その頃、大島組組長が旭会に射殺された。山崎の血が騒ぎ、横浜の黒井組と、シャブと拳銃の取引を行なう。一緒について来た風と山崎の前に、取引を聞きつけた数百人の暴走族が現れるが、風は彼らをアッという間に片づけた。しかし、山崎の兄貴分の藤井は旭会の副会長の命と引き替えに話をつけていた。藤井の計算高さに山崎は暴走する。藤井は山崎を消すように配下の者を送り出し、山崎の女、千加は藤井にレイプされる。その動きを喚ぎつけた風は藤井たちを殺した。翌朝、千加の経営する花屋の前に山崎を狙う男たちが張っていた。彼らは山崎が現れるのを待っていたのだ。案の定、山崎がやって来ると、男たちが発砲した。そこへ風が現れると。男たちを次々と片づける。一人が風の胸をえぐると、そこには冷たい機械が動いていた。風はレプリカントだった。射たれて倒れている山崎に駆け寄る千加。風は、千加に山崎は生きていると告げると、そこから去っていった。

解説

二つの組織が対立する新宿に記憶を失った男がフラリと現れ、抗争に巻き込まれる姿を描く。週刊『漫画アクション』に短期連載された狩撫麻礼・作、たなか亜希夫・画による同名劇画の映画化で、脚本は「友よ、静かに瞑れ」の丸山昇一、監督はこの作品がデビュー作となる俳優の松田優作、撮影は「キャバレー」の仙元誠三がそれぞれ担当。主題歌は、A・R・B(「AFTER'45」)。

1986年10月10日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1986)
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