野ゆき山ゆき海べゆき

第一尋常小学校に通う須藤総太郎は、第二尋常小学校から転校して来た大杉栄の姉、お昌ちゃんに淡い恋心を抱くようになった。だが、彼女には筏乗りの早見勇太という恋人がいた。栄は乱暴な性格が原因で第二小学校を追い出されたのだが、早速クラスのガキ大将、ボンチャンとの権力争いを始める。争いはエスカレートして遂には第一小学校側と、第二小学校側の大喧嘩となる。お昌ちゃんから相談された総太郎は、一定のルールに従い武器を使用禁止の戦争ごっこを提案した。夏休みに入り、戦争ごっこが始まった。その頃、子供たちの世界だけでなく、大人たちの世界にも戦いの波がおしよせてきていた。戦争ごっこの一日め、総太郎のドロナワ作戦が功を奏する。その夜、日本軍の大勝利に町の人々が騒ぐなか、泥酔した総太郎たちの担任、川北先生はお昌ちゃんと一緒にいた平和主義者の勇太に、嫉妬にかられて絡み非国民と罵った。翌日、子供たちは捕虜の交換を行なうが、飛んできた石がきっかけに石の投げ合いとなり皆傷ついてしまう。栄と総太郎は一対一の勝負で、タライ舟から先に川に落ちた方が負けという決闘をした。お昌ちゃんが審判だったが、勇太の姿を見て役目を放棄してしまう。それを見た総太郎は「もうやめた」と岸に向かうが、栄はやりばのない怒りをぶつけ総太郎の腕を折ってしまう。翌日、謝りに来たお昌ちゃんは、総太郎に栄は妾の子のため兵学校に行けず、また異母姉弟の自分に恋してしまったから乱暴になったのだと話した。ある日、総太郎と栄は栄の母、里が夫の繁太郎の借金のためにお昌ちゃんを四国の遊郭に身売りしようとしていることを知った。また勇太にも赤紙が来る。彼はお昌ちゃんと駆け落ちすることを決心するのだが、仲間の戦死を知り、その遺骨を抱く老婆の姿を見て戦争に行かせてくれと言う。お昌ちゃんたちが四国へ連れて行かれる日、総太郎たちは掠奪大作戦を開始。それは成功したが、親に売られ帰るところがない娘たちは港に戻る。お昌ちゃんが売られるのを知った勇太は脱走し、小舟でお昌ちゃんの乗っている舟に近づく。お昌ちゃんは石油をかぶり「近づいたら火をつける」と小舟に移る。だが、青木中尉が燈台から撃った弾が勇太を貫いた。お昌ちゃんは小舟に火をつけ、二人は小舟と共に水没していく。

解説

戦争の影が押し寄せている頃の瀬戸内の城下町を舞台に子供たちの戦争ごっこを描く。モノクロ版とカラー版と2種類のプリントで公開。佐藤春夫原作の「わんぱく時代」の映画化で、脚本は「子象物語 地上に降りた天使」の山田信夫、監督は「四月の魚」の大林宣彦、撮影は「PARIS−DAKAR 15 000 栄光への挑戦」の坂本善尚がそれぞれ担当。

1986年10月4日より

  • 配給
  • ATG
  • 製作国
  • 日本(1986)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト