プルシアンブルーの肖像

小学校6年の菊井カズミはタダシという少年と交換日記をしていた。それを運ぶのは萩原秋人。この日、カズミは初めてタダシと会うため約束の小学校の音楽室に行った。だが、誰もいない。暫くして秋人が現われた。秋人とタダシは同一人物でカズミもそれに気づいていた。素直に自分の思いを打ち明けられない秋人が別の名前を語っていたのだ。突然の初潮に驚いたカズミは、秋人から逃げだし、時計塔から落ちて死んでしまう。15年後、秋人は同じ小学校の用務員となっていたが、あの事件以来言葉を失っていた。6年生の桐島冬花は給食が嫌いで、他の女の子からいつもいじめられている、ひとりで対話をするのが好きな孤独な少女。彼女は同級生の梅本春彦と好意をよせあっている。夏休みに入って、学校に不可解な現象が起きた。冬花をいじめるグループの垣田初子と藤崎夏美が次々と失踪したのだ。二人とも新校舎と旧校舎を結ぶ渡り廊下に消えて行くのを冬花は見た。だが、渡り廊下に通じる扉には厳重な鍵がかかっており、誰も信用してくれない。初子と夏美は担任の深見先生に、日記を盗み読まれ落ち込んでいたのだった。深見に日記を読まれた冬花はその事実を知り、残忍に迫る深見から逃げる。深見は冬花を探しに旧校舎へ行き、そこで夏美たちの亡霊に苦しめられる。そして、渡り廊下の入口で彼は死体となって発見された。どの事件の時も、秋人の影があった。音楽教師の尾花に乗り移ったカズミは、春彦に冬花を守るように告げた。春彦はある日、冬花と心が通じ合っていると思われていた秋人の、もう一つの恐ろしい顔を見てしまう。秋人は冬花を守ろうとしていたが、とうとう恐ろしい面を現し、冬花を渡り廊下の奥の15年前、カズミを埋めた時計塔の床に埋めようとする。だが、そこにはカズミの死体ではなく、自分の恐ろしい顔があった。そこにカズミの声がする。彼女はこの日を待っていたこと、秋人とタダシが同一人物と知っており、秋人を想っていたと告げる。また、夏美たちや深見のことは自分のいたずらだったと。冬花は彼女を探しに来た春彦と共にカズミの言葉に従い、火をつけて本校舎へ逃げた。秋人は口を開き、カズミが好きだった。僕にはもう一人の自分がいる。だが、それを知られたらきっと嫌われてしまうと思ったと言う。カズミに抱かれた秋人は、少年の日の秋人に戻っていた。

解説

夏休みの小学校を舞台に、次々と起こる不可解な現象を描く。松井五郎の原案をもとに「犬死にせしもの」の西岡琢也が脚本化。監督はこれが第一回作品となるプロデューサーの多賀英典、撮影は「まんだら屋の良太」の大岡新一がそれぞれ担当。主題歌は、安全地帯(「プルシアンブルーの肖像」)。

1986年7月26日より

  • 配給
  • 東宝
  • 製作国
  • 日本(1986)
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  • スタッフ・キャスト