国東物語

天文15年(1546年)豊後(大分県)の沖の浜にポルトガル人の一行を乗せた頭目八幡の船がついた。時の領主大友義鑑と交易していた明の商人はポルトガル人を邪教の輩と呼び殺すように義鑑に進言した。しかし義鑑の子・義鎮は遠方から来た人々は友としてもてなすべきだと彼らに命乞いをした。ポルトガル商人は義鎮に、その礼として鉄砲を贈った。そして宣教師パオロは義鎮にロザリオを手渡した。一方表鑑は、何かと自分に反抗する義鎮をうとましく思い、若い後妻お葉が生んだ幼い塩市丸に家督をゆずろうと考えはじめていた。義鑑の寵臣の入田は隣国の菊池家を継いだ義鑑の弟義武と結んで義鎮の暗殺を計画した。しかし、その陰謀が洩れ、義鑑と塩市丸は大友家を思う家臣によって殺された。大友家21代の領主となった義鎮の胸の中をより暗くしたのは幼少の時、質として府内に送られ、同年の義鎮と兄弟のように育った従弟菊池武治か大友の敵となって追われたことであった。僧に身をやつした武治は、安順と名のる僧に導かれ千燈寺にたどりつき、荒行をはじめた。天文20年、八幡に案内されはるばる海を越え豊後の国を訪れたのはイエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルであった。それは義鎮にとって運命的な西洋文明との出会いであり、キリスト教との出会いでもあった。義鎮はザビエルの語った理想の王国を夢見、新しい国造りとへ進んでいく。その頃、義鎮は国東の千燈寺の僧となった武治の噂をきいた。家臣は、仇敵菊池の息子である武治を国東に放つことは後に憂いを残すことになるだろうと強く諌言したが、義鎮は少年の日に共に力を合わせてこの国のために戦い、治めようと誓った武治をどうしても敵と思うことはできなかった。義鎮は八幡を使者として秘かに武治を呼び、共に新しい国造りを行なおうと要請したが、武治は激しい修業の果てに既に身も心も仏に捧げた僧侶であった。義鎮はついに僧兵のたてこもる千燈寺を焼き打ちした。激しい戦いのさ中、安順は武治に、菊池家の家臣であると名のり逃れるよう懇願するが、武治は自ら炎の中に身を投じた。領土の平穏を手に入れた義鎮が、その胸に抱いた理想の王国とは−−。

解説

キリシタン大名として知られる戦国時代の若き武将大友義鎮と西洋の運命的な出会いを描く。原作・脚本は「遠野物語」の高山由紀子、監督も同作の村野鐵太郎、撮影も同作の吉岡康弘と高間賢治がそれぞれ担当。

1985年4月27日より

  • 配給
  • エキプ・ド・シネマ
  • 製作国
  • 日本(1985)
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