戦う民族

カナダ大陸を東から西へ貫くカナダ大平線鉄道が、遂に一千マイルの工事を進んだ時に、前方にロッキー山脈の障壁が道を阻んで突立っていた。工事監督のダン・ムーディーはモントリオールからの督促に焦慮しつつ人々を鞭撻するのだが、工事はなかなか進捗しない。その時、この町に博奕打のヒキーとその相棒のスティーヴとが流れ込んで来た。ダンは彼等を使おうとしたが、二人は働くのは性に合わんと鼻であしらった。が酒場でカードのイカサマから二人は人々と大喧嘩して、裁判所でダンの下で三十日労働する判決を受けた。ヒキーは持ち前の押しの強さでダンの娘メエリーに云い寄ったが、一方スティーヴは酒場の女ルーの手管に乗せられて行った。ヒキーは或る時、メエリーの乗った汽車が沼地で危難に瀕した時にそれを救い、メエリーの彼に対する気持ちは次第に恋に変わって行った。そしてヒキーも鉄道に上ったのだが一方、ルーの昔を知るヒキーがスティーヴを懲したことから、却って親友二人の間に溝が出来た。冬、岩山を爆破する時に、スティーヴはヒキーを恐怖心から死地に置いて逃げ帰った。だが春が来て、資金の欠乏、労働者の動揺、そして鉄道完成の危惧がカナダの重大問題として更に政府間で議にのぼる様になり、鉄道敷設は焦眉の急を告げるに至った時、ロッキー山上に道を求める決死隊中に応募したのはスティーヴであった。ロジャースを頭に、ヒキー、スティーヴその他の人々は、生還を期し難い壮挙にのぼり、昔の小径を求めて行った。急流、泥、山火事、食糧欠乏、困難、人々は続いて落伍して行き、スティーヴも自ら犠牲となって最後に残ったのはロジャースとヒキー二人となった。この頃には、労働者達が遂に不穏の挙に出ていた。そして遂に破滅が来たかと見えた時、ロッキーの山高くで道を発見した烽火が空にあがった。かくて鉄道工事は再び始められた。そして大鉄道完成とともにヒキーとメエリーの恋も実を結んだ。

解説

我が国に始めて紹介されるミルトン・ロズマーの監督作品で、「暗黒街殲滅」「冷蔵庫の赤ん坊」のリチャード・アーレンがイギリスに招かれて主演した映画である。原作はアラン・サリヴァンの小説で、これをローズマー自身が、マイケル・バリンガーと協力して脚色、併せてローズマーがラルフ・スペンスと協力して台詞を執筆した。助演者は、ウィーン生まれのリリー・パルマー、新顔のアントアネット・セリエ、「永遠の緑」のバリー・マッケイを始めとして「セイルムの娘」「俺は善人だ」のJ・ファーレル・マクドナルド、ロイ・エマートン、ベン・ウェルドン、等である。撮影には「君と踊れば」「永遠の緑」のグレン・マクウィリアムスが、ボッブ・マーティン、「アルプスの血煙」「逃げちゃ嫌よ」のゼップ・アルガイヤーと協力して当たっている。

  • 配給
  • 三和商事
  • 製作国
  • イギリス(1937)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト