作品 映画館 ニュース

男は神に非ず

エドモンド・デイヴィがロンドンで「オセロ」を演じた最初の日であった。劇評家スキーツは新聞社へ帰ると、秘書のアンにデイヴィを酷評した原稿を速記させた。アンが原稿を製版部へ廻そうとした時、デイヴィの妻で舞台の相手女優でもあるバーバラが訪れ、酷評を取止めて呉れる様に歎願したので同情したアンは独断で原稿を訂正し、オセロ役者としてのデイヴィを賞讃した。この為アンは翌日首になったが、その批評に勇気を持ち直したデイヴィは翌日から好演を続けロンドン中の人気を湧立たせた。アンに感謝したバーバラは夫婦きりの食事へ彼女を招いた。アンとデイヴィは一目見た時から互いに強く惹きつけられる。二度目に招待された時にアンと二人だけの機会を見て、デイヴィは彼の愛をアンに打ち明けた。アンはバーバラの為を思って家を辞したが、デイヴィは彼女の後を追ってハイド・パークに来た。デイヴィは翌日もそこで会う事を彼女に迫ったが、アンはそれを聞き入れなかった。しかし翌日になってみるとアンは其処へ行かずに居れなかったのである。公園で二人の逢い引きを写生した画家がその絵を売り付けようとした事から、二人の仲はバーバラにはっきりと判ってしまう。バーバラは夫を愛しているだけに嫉妬の強い妻であった。彼女は新聞社へ復職したアンを訪れ、夫婦の中に生まれる子供の為に夫と別れて呉れる様に頼む。アンは快くそれを聞き入れて、その夜最後の思い出に劇場へ「オセロ」を見に行った。アンとの愛に悩むデイヴィの演技は不思議な熱を持ち、己れを忘れたものの様である。オセロがバーバラの扮したデスデモナを殺す場面になると、観衆席にいたアンはたまらなくなって悲鳴をあげた。芝居はここで中止され、デイヴィは我に帰るとともに、妻の妊娠を知って潔くアンを忘れる決心がついた。夫婦の仲が無事に納まったのを見ると、アンは以前から自分を愛している新聞社の同僚トミイの事を思いながら家へ帰った。

解説

「この三人」「生活への道」のミリアム・ホプキンスが主演する映画で、「女ひとり」と同じくワルター・ライシュが原作監督したものである。脚本及び台詞はC・B・スターンとアイリス・ライトが協力して書いている。主役ホプキンスを助けて「描かれた人生」「春宵巴里合戦」のガートルード・ローレンス、「文無し長者」のセバスチャン・ショウ、「風雲の欧羅巴」のA・E・マシュース、レックス・ハリソン、ローラ・スミスソン、ローレンス・グロスミス等が出演している。キャメラは「小公子」「野性の叫び」のチャールス・ロッシャーの担任である。

  • 配給
  • UA
  • 製作国
  • イギリス(1936)
  • ジャンル
  •  
  • スタッフ・キャスト