女優ナナ(1955)

淫奔な女ナナ(マルティーヌ・キャロル)はヴァリエテ座の座主に見出されて出演し、そのオペレッタは大当りをとった。ナナのかつての情人で俳優のフォンタン(ワルター・キアーリ)が、三十歳の誕生日だといって楽屋で祝盃をあげているとき、観劇に来たサルディニアのプリンスが楽屋にナナを訪れた。附添いとして来たナポレオン三世の侍従長ミュファ伯爵(シャルル・ボワイエ)はナナの魅力に惹かれるものを感じた。大銀行家ステネエルもナナの魅力のとりことなった。彼はすべての財産をナナに注ぎこみ、破産して逃亡した。ステネエル去ったあと、ミュファは前後を忘れ、ナナに没頭するようになった。彼の乱行は世間の評判となり皇帝も彼に忠告を与えたが、もう何ものも彼を止めうるものはなかった。しかし、ナナにとって、彼は数多いパトロンのなかの一人にしかすぎなかった。ある日、ミュファと喧嘩別れしたナナは昔の恋人フォンタンを訪れ同棲したが、彼に有金を取られて路頭に追われ、夜の女たちと一緒に警察に捕えられた。ミュファはその地位を利用してナナを引取った。といってナナの浮気がやむわけではなく、彼女はヴァンドゥヴル伯爵に接近して行った。ヴァンドゥヴルは自分の持馬にナナという名をつけ、レイス前に禁制の興奮剤をのませて競馬に勝ったが、ことが発覚して自分の厩舎に火をつけ、自殺した。とは知らず、ヴァンドゥヴルと旅行に出るとはしゃぐナナを見て、さすがのミュファも理性を失った。ミュファの手はナナの頚にのび、数数のスキャンダルに世を騒がせたナナの一生は閉じられた。

解説

エミール・ゾラ(「嘆きのテレーズ」)の同名小説の映画化で「ボルジア家の毒薬」のクリスチャン・ジャックが監督した一九五五年作品である。脚色は「わたしの罪ではない」のジャン・フェリー、アルベール・ヴァランタン、「愛情の瞬間」のアンリ・ジャンソン、クリスチャン・ジャックの四人で、台詞はアンリ・ジャンソンが担当した。イーストマンカラーの撮影は「たそがれの女心」のクリスチャン・マトラ、音楽は「埋れた青春」のジョルジュ・ヴァン・パリス。出演者は「たそがれの女心」のシャルル・ボワイエ、「ボルジア家の毒薬」のマルティーヌ・キャロル、「O・K・ネロ」のワルター・キアーリ、「妄執の影」のジャック・カストロ、「女性の敵」のノエル・ロックヴェール、「現金に手を出すな」のポール・フランクール、マルゲリイト・ピエリ、エリザ・チェガーニ、ドラ・ドルなど。

1955年6月18日より

  • 配給
  • 新外映=映配
  • 製作国
  • フランス(1955)
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