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フォレスト・ガンプ 一期一会

アラバマ州グリンボウで、幼い日のフォレスト・ガンプ(少年時代/マイケル・C・ハンフリーズ)は、母(サリー・フィールド)の女手一つで育てられた。母親は息子のIQが人並みに至らないと告げられた時も、背骨が曲がっていることがわかった時も少しも動ぜずに普通の子供として育てた。小学校に入ったが、友達は最初の登校日にスクールバスで席を譲ってくれた美しく優しい少女、ジェニー(少女時代/ハンナ・R・ホール)だけだった。ある日、同級生たちにいじめられたフォレストは、ジェニーの「走って!」という声で猛然と駆け出し、どこまでも走り続けた。その駿足が買われ、数年後、フォレスト(トム・ハンクス)はアメリカン・フットボールの選手として大学に入学。ついに全米代表選手に選ばれ、ケネディ大統領から激励される。ジェニー(ロビン・ライト)は彼の存在が邪魔になる時もあったが、なぜか憎みきれず、ある雨の降りしきる夜、すぶ濡れの彼を女子大の寮にこっそり招き入れ、裸の胸にそっと抱いた。大学を中退したジェニーはヌード劇場で歌っていたが、会いに来たフォレストの前から去る。5年後、彼はベトナム戦争に出征する。従順なフォレストは過酷な状況下でも言われるままに行軍する。戦局は日々悪化し、彼の小隊はジャングルで敵の一斉攻撃を受ける。激しい銃声を背にフォレストは走ったが、あまりに走りすぎたため隊を見失う。彼はジャングルに戻り、傷ついて倒れた仲間たちを安全な場所に運び出す。親友のババ(ミケル・T・ウィリアムソン)と尊敬するダン小隊長(ゲイリー・シニーズ)も助けるが、ババは彼の腕の中で息絶えた。両足を失ったダンは、なまじ命を救われたことを恨み、彼をなじった。フォレストが首都ワシントンで大統領から栄誉勲章を送られた日、首都では平和大集会が開かれていた。見物に行った彼がいつのまにかステージでスピーチをさせられた時、何十万人もの観衆の中からジェニーが飛び出し、フォレストは駆け寄って抱き合う。だが、反戦運動にのめり込みヒッピー生活を送っていたジェニー(ロビン・ライト)は彼の一途な愛を受け入れることなく、同志たちと去って行った。尻のケガの治療中に病院で卓球を覚えた彼はたちまち腕を上げ、中国で開かれた世界選手権大会に出場。ジョン・レノンとテレビで共演するなど、たちまち有名人となったフォレストは、エビ漁船を買う。それは亡きババとの約束だった。フォレストは、すっかりすさんだ生活を送っていたダンを呼び寄せ、海に繰り出す。最初は全くダメだったエビもやがて大漁となり、2人は大金持ちとなる。ダンも、今では彼のお蔭で生き延びたことを感謝していた。母の死をきっかけに故郷に帰ったフォレストの前にジェニーが現れたが、彼女は彼の愛を受け入れた翌朝、また1人で去って行った。残されたフォレストはある日、やみくもに駆け出し、それから3年余り走り続けた。いつしか彼の行動は神格化され、またもや彼は時代のヒーローとなっていた。走り終えた彼の元に届いた手紙を読んで、フォレストはジェニーの家を訪ねる。そこにはフォレストの息子がおり、彼女は父親と同じフォレストと名付けていた。エイズで死期が近づいたのを知った彼女は、やっと探していたものが何だったのかに気づき、2人は結婚する。やがて彼女は世を去り、フォレストはかつて母親がそうしたように息子を育て、学校に通うのを見送るのだった。

解説

アメリカの現代史の真ん中を駆け抜けた男の数奇な人生を、笑いと感動豊かにつづったヒューマン・ドラマ。30年に及ぶ物語の背景として、年代によって移りゆく風俗・文化・流行が丹念に描き込まれているほか、ボブ・ディランの『風に吹かれて』、ドアーズの『ハロー、アイ・ラブ・ユー』など、全32曲に及ぶ当時のフォーク、ロックのヒット曲や名曲満載されているのも聞きもの。また、記録フィルムやテレビの収録テープから集められた、ケネディをはじめとする歴代大統領やジョン・レノンといった有名人たちと主人公フォレストが、デジタル合成技術を駆使した特殊視覚効果を施されて“夢の共演”を果たしているのも見どころ。86年に発表されたウィンストン・グルームの同名小説を、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」3部作や「ロジャー・ラビット」「永遠に美しく…」などのヒットメーカー、ロバート・ゼメキスの監督で映画化。脚本は「心のままに」のエリック・ロス。製作はウェンディ・ファイナーマン、「コリーナ、コリーナ」のスティーヴ・ティッシュ、「永遠に美しく…」のスティーヴ・スターキー。撮影は「モー・マネー」や、ゼメキス演出のテレビドラマ『テイルズ・フロム・クリプト』の1挿話「イエロー」のドン・バージェス。音楽のアラン・シルヴェストリ、美術のリック・カーター、編集のアーサー・シュミットは「ロジャー・ラビット」などにも参加したゼメキス作品の常連スタッフ。視覚効果スーパーバイザーはILMのケン・ラルストンが担当。主演は「フィラデルフィア」に続いて本作でオスカーを受賞したトム・ハンクス。母親役を「パンチライン」に次いでハンクスと2度目の共演となる「ミセス・ダウト」のサリー・フィールド、恋人役を「プリンセス・ブライド・ストーリー」「トイズ」のロビン・ライトが演じるほか、「二十日鼠と人間」のゲイリー・シニーズ、「フリー・ウィリー」のミケル・T・ウィリアムソンら実力派俳優が脇を固める。第67回アカデミー賞で作品、監督、主演男優、脚色、編集、視覚効果の6部門を受賞。キネマ旬報外国映画ベストテン第4位。

1995年3月11日より

  • 配給
  • UIP
  • 製作国
  • アメリカ(1994)
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  • スタッフ・キャスト