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死と処女

南米某国。独裁政権が崩壊して間もなくの嵐の夜。ポーリナ(シガニー・ウィーヴァー)は岬の近くの家で、夫の帰りを待っていた。停電の中でポーリナは高まる不安と怒りに落ちつきを失う。やがて、1台の車が近づき弁護士である夫のジェラルド(スチュアート・ウィルソン)が降りてきた。車がパンクし、通りがかりの車に送ってもらったと言う。深夜、ジェラルドを車で送った医師のミランダ(ベン・キングスレイ)が所用を思い出して引き返してきた。応対に出たミランダとのやりとりを寝室で聞いたポーリナの表情が凍りつく。彼女は隙を見て彼の車を発進させ、崖から海へ車を転落させる。家に戻った彼女は、泥酔したミランダを縛り上げ、彼の車中にあったカセットテープで『死と処女』を聴かせる。その音で起きたジェラルドに、ポーリナは衝撃の事実を語り始めた。ミランダこそ、独裁政権下で反政府の学生運動に参加していた彼女を拷問した男だというのだ。彼女は、声と体臭で間違いないとも主張する。ポーリナは銃で2人を威嚇した。ミランダは無実を主張し続けるが、怒りを爆発させた彼女は、ミランダは『死と処女』を聴かせながら楽しむように残虐な拷問とレイプを重ねたと言った。必死に否定するミランダは、当時、バルセロナの病院に勤務していたから電話で問い合わせてくれと懇願するが、電話は不通だった。ポーリナは、ミランダに拷問の事実を告白させ、それをビデオに録画しようとする。全てを告白し懺悔すれば開放するが、拒否した場合は殺すというポーリナ。ようやくバルセロナの病院に電話がつながり、ジェラルドはミランダが勤務していた事実を知る。だが、既にポーリナはミランダを断崖から突き落とそうとしていた。その瞬間、ミランダは拷問の事実を認め、過去を告白した。ジェラルドは激しい怒りにかられるが、ポーリナは放心したようにその場を離れる。数カ月後、同じコンサート会場で、『死と処女』を聴いているジェラルドとポーリナ夫妻、家族と一緒のミランダの姿があった。

解説

シューベルトの室内楽曲『死と処女』をモチーフに、忌まわしい過去を巡って、3人の男女が密室で激しい葛藤を繰り広げる心理サスペンス。アリエル・ドーフマンの同名戯曲を、「赤い航路」の鬼才ロマン・ポランスキーの監督で映画化。製作は同作のブロードウェイ公演も手掛けたトム・マウントとジョシュ・クレイマー。脚本は「フィアレス」のラファエル・イグレシアスとドーフマンの共同。撮影は「ウエスタン」「薔薇の名前」の名手トニーノ・デリ・コリ、音楽はウォジシェッチ・キラー、美術は「テス」(アカデミー賞受賞)、「存在の耐えられない軽さ」のピエーレ・グフロイ。衣装は「バリー・リンドン」「炎のランナー」で2度オスカーを手にしたミレナ・カノネロ、編集は「テス」「愛と宿命の泉」のハーブ・デ・ルーズと、国際色豊かな人材が結集。メインキャストは3人のみで、「エイリアン」3部作のシガニー・ウィーヴァー、「シンドラーのリスト」のベン・キングスレイ、「エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事」のスチュアート・ウィルソンが火花散る熱演を見せている。

1995年6月3日より

  • 配給
  • UIP
  • 製作国
  • アメリカ(1994)
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  • スタッフ・キャスト