哀愁のメモワール

19世紀末、マサチューセッツ州の小さな田舎町スタークフィールド。ボストンから訪れた新任の牧師スミス(テイト・ドノヴァン)は、不具で貧しい生活を送るイーサン・フローム(リーアム・ニーソン)と知り合う。彼に対する村人の冷たい態度に困惑し、村を立ち去りかけたスミスだったが、大家のヘイル夫人(キャサリン・ホートン)は、彼を引き留め、フロームの過去を語る。……フロームの若き日。フロームの母が大病を患い、学校で科学を学んでいた彼は帰郷する。母の看病をしたのは、遠い親戚のゼーナ(ジョアン・アレン)で、その死を看取ったのだった。母の死後、フロームはゼーナと結婚した。ところが、ゼーナは5年後に病の床についた。農作業と病気の妻の世話に明け暮れる喜びのない毎日。そんな折り、ゼーナはいとこの娘で両親を失ったマッティ・シルヴァー(パトリシア・アークェット)を家事手伝いと自分の世話をさせるために家に呼び寄せる。来た当時はゼーナのように病気がちだったマッティは、1年後には元気で美しい娘に変わった。いつしかフロームとマッティはお互いにひかれあうようになる。ゼーナが診察のため一日家を明けたその夜、二人は結ばれるが、幸せな時は長く続かなかった。予定より早く戻ったゼーナは、容態がさらに悪くなったことを口実に、勝手に新しいお手伝いを雇い、マッティには出て行ってもらおうと言い出す。フロームは怒るが、なすすべはない。荷物をまとめたマッティをフロームは送っていくが、なかなか別れられない。かつての約束だったソリ遊びにひとときの安らぎを覚える二人。ところがソリが木に激突、これがもとでフロームは不具になったのだった。……話を聞いたスミスは夫人に付き添い、フロームの家を訪ねる。スミスがそこで見たのは、寝たきりとなり、今はゼーナとフロームの世話を受ける身となったマッティの姿だった。

解説

「エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事」の女流作家イーディス・ウォートンの長編小説『イーサン・フローム』(邦訳・荒地出版社刊)の映画化。36年のブロードウェイ上演後、40年代のゲーリー・クーパー、ベティ・デイヴィス主演の企画のほか、何度も映画化が図られた末に実現したもの。エグゼクティヴ・プロデューサーは「ロングタイム・コンパニオン」「ストレート・アウト・ブルックリン」「愛・アマチュア」など、インディペンデントの話題作を手掛けた、アメリカン・プレイハウスのリンゼイ・ロウとリチャード・プライス。監督は『Golden Gate』のジョン・マッデン。脚色はリチャード・ネルソン、製作は「ロングタイム・コンパニオン」のスタン・ヴロドコウスキー、撮影は「ホーリー・ウェディング」「サーチ&デストロイ」のボビー・ブコウスキー、音楽は「スモーク」のレイチェル・ポートマン、美術はアンドリュー・ジャックネス、編集はキャサリン・ウェニング、衣裳はキャロル・オディッツがそれぞれ担当。主演は「ネル」「ロブ・ロイ ロマンに生きた男」のリーアム・ニーソン。共演は「ホーリー・ウェディング」のパトリシア・アークェットとテイト・ドノヴァン、「タッカー」「マッド・ラブ」のジョアン・アレン、「ビリー・バスゲイト」のキャサリン・ホートンほか。

1996年1月27日より

  • 配給
  • HRSフナイ
  • 製作国
  • アメリカ イギリス(1993)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト