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『接吻』初日舞台挨拶

2008.03.10

「この映画を通じて大人になった!」でも現場では…?
日時:2008年3月8日
場所:ユーロスペース
出席者:万田邦敏監督 小池栄子 仲村トオル
『接吻』初日舞台挨拶
惨殺事件の犯人に寄せる究極の愛。普通には理解しがたい激情を描いた映画『接吻』が、3月8日(土)に公開初日を迎え、監督・出演者が舞台挨拶を行った。


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まずは、来場したお客さんにおひとりずつご挨拶をお願いします。
■万田監督:「これから皆さんは、テレビで見ている小池栄子さんとは別の小池さんを見ることになると想います。仲村さんは、とても一途でちょっと寂しい役ですが、でも最後は滅茶苦茶カッコイイ姿を見られます」
■小池:「この作品を通して、お芝居をもっと勉強していきたいと、改めて自分の気持ちを確認することができました。本当に素敵な作品にめぐり合えたと思うし、それを皆さんに見てもらえるのを嬉しく思います」
■仲村:「こんな天気のいい土曜日に、こんな薄暗い映画館にこんな重い映画を見に来てくださって、本当に気の毒に…(笑)ありがたく思います。1時間48分、とっても充実した、いい意味で緊張感がみなぎる時間を過ごしていただけると思います」
非常に深い内容の作品ですが、監督は主演の京子になぜ小池さんを選んだのですか?
■万田監督:「妻(本作の脚本家、万田珠実)が仲村さんのお芝居を見に行ったときに、小池さんが共演していて、絶対いいよ、と。僕も、『犬猫』という映画の中で小池さんを見て、ぜひ京子を演じてもらいたいと思いました」
監督は、本作で女優としての小池さんをどう見ていますか?
■万田監督:「最初に小池さんにお会いしたのは衣装合わせのときで、第一印象は、胸が大きいな、ということで…ちょっとタジタジしました(笑)。その後、本読みをしたんですが、それまでは字の中だけだった京子が、その時から現実味を帯びてきて、撮影を追うごとにますます小池さんが京子になっていく姿に感動したし嬉しかったし、絶対面白いものになると確信を持ちました」
小池さんは、この作品を通じてもっと女優をやっていきたいと感じたそうですが、具体的にどんな部分でそう感じましたか?
■小池:「演じている1カ月がとても楽しかった、ということと、京子を通じて、自分でも知らなかった自分を発見する楽しさを感じました。私生活の部分でも、自分とすごい近い部分があって、とても心地よかったんです。京子は完璧ではないけど一生懸命生きようともがいている。私もテレビでは、明るくて力強くて前向きとよく言われますが、やっぱりそんな自分ばかりじゃないし、どちらかというと、素の部分では京子に近い。お芝居に対して怖がっている部分があったのに、こういう役とめぐり会えたことで、色々な発見が出来て楽しいと思いました」
京子と共感する部分というのは、どんなところですか?
■小池:「映画では手紙を書くシーンが多くありますが、私も手紙を書くのがすき。恋愛の形でも、こういう一途さは似てるのかな。基本的に、暗いです!! 脚本を読んだ時点では、犯罪者に恋をする気持ちはわからなかったけど、恋愛って、周りから見たら「どうして?」ということがたくさんあるし、恋愛の形や人の生き方に正しいことなんてなくて、みんな、もがき苦しみながら一生懸命やっているんですよね。自分の心が広くなりましたし、深く知らないで、他の人の恋愛を批判するのは良くないし、知ろうとする気持ちは大切だと思いました」
『接吻』初日舞台挨拶
仲村さんは、万田監督とは3度目のお仕事ですね。
■仲村:「『Unloved』という映画で、いい意味で監督から「やらされた」ことで、自分が見たことのない自分を見た経験があったので、今回もそうなるだろうという予感があって、絶対やりたいと思いました」
現場では、どんなことが思い出に残っていますか?
■仲村:「出来上がりがすごく満足できたので、ちょっと自分の記憶を美化していたことに気づきました…。すごく楽しい現場だった、と思っていたけど、今だんだん思い出してきて、そういえば、小池はあからさまに俺のことうざがっていたな、とか、豊川悦司さんが全然口きいてくれない、とか…」
■小池:「それは、トオルさんをうざがっていたわけじゃなくて、長谷川役をうざがってたんですよ! もう…ちょっとトオルさんの方見られなくなってる…」
■仲村:「さっき、(小池が)この作品を通して大きくなったみたいなこと言ってましたけど、現場では、前日に量販店で買った扇風機にリモコンがついてなかったクレームの電話をしようとしていて、「クレーマーだと思われないかな、最初からリモコンなしの買ってたとか言われないかな」って、すごい勇気振り絞って電話して、マネージャーさんに「取り替えてくれるって」って言ってる姿をみて、「小さいやつだな」って…でも本人は大きくなった気でいるんだ…(笑)」
■小池:「だから、この作品を通して、時を経て大きくなったんです!撮影は1年半くらい前の話ですからね!でも、みんなに見てもらいたい気持ちが大きかったのに、上映までに時間がかかっちゃって、不安になってトオルさんに電話したこともありましたけど、そのたびに「すごくいい作品だから大丈夫、自信を持って」と励ましてくださって。本当、優しいんです!」
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『接吻』
配給会社: ファントム・フィルム
公開日: 2008年3月8日 (土)
劇場情報: ユーロスペースほか全国にて順次公開
公式HP:seppun-movie.com
■あらすじ
幼い頃から周りに馴染めないOLの京子(小池)は、ある日テレビで、一家惨殺事件の犯人・坂口(豊川)の姿を見て、直感的に惹かれていく。京子はやがて、坂口の担当弁護士である長谷川(仲村)を通じて、坂口に手紙や差し入れを届けるように。坂口もまた、そんな京子に特別な思いを抱いていくが…。
■人物紹介
小池栄子小池栄子
1980年11月20日東京都生まれ。98年にTVドラマ「美少女H」でデビューし、以後、TVやCM、映画や舞台で活躍。演技力には定評があり、『犬猫』『下妻物語』『真夜中の弥次さん喜多さん』『男はソレを我慢できない』など、次々と映画出演を果たしている。
仲村トオル仲村トオル
1965年9月5日東京都生まれ。85年に映画デビューし、日本アカデミー賞をはじめとする数々の新人賞を獲得。以後、国内外の映画やTVに出演。2002年の韓国映画『ロスト・メモリーズ』では、第39回大鐘賞映画祭男優助演賞を外国人として初受賞した。
万田邦敏監督万田邦敏監督
1956年東京生まれ。PRビデオの演出や映画雑誌等での執筆、TVドラマの演出を経て、96年に劇場映画デビュー。2002年に初の長編劇場映画『Unloved』を発表し、カンヌ国際映画祭批評家週間に招待された。