作品 映画館 ニュース

『ヘイジャパ!』桜塚やっくん インタビュー

2008.02.29

“この映画を観て、何でもいいからひとつ持って帰ってもらいたいね。”
出席者:桜塚やっくん
『ヘイジャパ!』桜塚やっくん インタビュー
この映画は一体何なんだ? これと言ったストーリーもないのに、やたらたくさんの登場人物たちが登場する。それも、これでもかというほど、物凄いキャストが次から次へとスクリーンを横切っていくのだ。
タイトルだって、あまりに長すぎて、GyaOの見出しでも省略されてしまうほど。凄まじいパワーの中で一際クレイジーなのが、深夜の駅で歌うパンク女だ。演じた桜塚やっくんに、パワフルでやや毒を帯びた作品について話を聞いた。


_____________________________________
タイトルも長~いし、何だかよく分からない作品ですね。
■桜塚やっくん(以下桜塚):「アタイ的には、今の日本のちょっと路地裏に行くと見られる光景を描いた作品かなと。普通に生きていたらギリギリ見れないけど、この映画の世界って、今こうしている時でも現実に起こり得る、今の日本を象徴している映画じゃないかな。“そんなの関係ねえ”がこれほど広がったのも、今の若者の気持ちを代弁しているからじゃないかと思うんですよね。…アタイ、堅い?(爆笑)」
全っ然、堅くないです。ワケ分からない作品の中で、やっくんの役が一番、意味不明ですよね。
■桜塚:「そうね。アタイの役って、思っていることを上手に伝えられない人が、伝え方を間違えて表現してしまっている人だと思ったのね。ああ、なんて不器用な女の子なんだろうって」
あれは、女の子なんですか?
『ヘイジャパ!』桜塚やっくん インタビュー
■桜塚:「実は…なんだけどね(爆笑)。一応、パンク女という役だったんだけど、最初台本を読んだ時は、今も女子高生のキャラやってるし、これは面白いなと。でも、最後の最後に、『ええーっ!?』っていう面白いところはあるんだけどね。言葉もアバウトだし。“夢はあるか、希望はあるか”って訴えてはいるんだけど、届いているかは微妙。だけど、言いたくて仕方がない、みたいな。アタイも最初は彼女が何を言いたいのか分からなかった。多分、本人も分かってないんじゃないかな…しかしこのインタビュー、笑いゼロだね(爆笑)」
こういう、やっくんの意外な一面をファンは見たがっているんですよ!
さて、このパンク女、映画の中でどんな役割だと思いますか?

■桜塚:「今、日本でもちょっと裏通りに行くと、ひん曲がったことが普通に行われているというのを、最後にアタイが警鐘を鳴らしているというか。要はこういうことなんだよというのを、アタイが観ている方に伝える役なのかなと」
テーマを叫ぶ役ですものね。
■桜塚:「“昔と違って今の日本は”って言うけど、実は、昔も今もそんなに変わっていないと思うのよね。ただ今、明るみに出てきたというだけでね。ネットが普及したせいで、人を誹謗中傷するのが普通に行われるようになってきたじゃない。匿名だから好きなこと書いちゃえ、みたいな。この映画を観て、どう思うか分からない。こういうのあるある、かもしれないし、え~こんなことがあるの?かもしれないし。何でもいいから、ひとつ持って帰ってもらいたいね」
『ヘイジャパ!』桜塚やっくん インタビュー「スケバン恐子」の延長線上のような役というのが面白いと思うのですが。
■桜塚:「監督がテレビで観て面白い素材だと思って下さったみたいで、ちょうどいい役があるということで。今、スケバン恐子というか、この格好をしていること自体が演技なんだけど、映画の中では、もっと迫力を出してくれと言われましたね」
「桜塚やっくん≒スケバン恐子」として映画に出演するという珍しいパターンですよね。
■桜塚:「スケバンで訴えたいことと、(映画の中の)パンク女が訴えたいこととでは、真剣さが違うというか。パンク女は、自分の訴えたいことを純粋に信じきってやっているのね。アタイのこの格好は、楽しんでもらいたいからやっているワケでね。パンク女は素で怒っているという違いはありますよね」
「キャラ」と「演技」とはどう違いますか?
■桜塚:「一言で言うと、緊張感。アタイ、四六時中この格好してるから、これはかなり素に近いというか。それが映画の中での演技では、いろんな表現の方法があるけど、まだアタイが踏み込んでいっていない領域の仕事。だから新鮮だったし、いい勉強になりましたね」
監督からはどんなリクエストがありましたか?
■桜塚:「一番伝えたい言葉を叫ぶ役なので、とにかく、激しくやってくれと。最後に炎と共に叫ぶ言葉がメインテーマなので、そこは何度もやり直ししたし、全然気持ちが入ってないって怒られたりしましたね。監督は厳しい方ではないんですけど、やっぱり一番大切なところで、妥協出来ない部分だったので。最初は、大声張り上げていればいいかな、って安易な気持ちだったんですけど、本当に台本を読み込んで、テーマを理解しないと伝えられないことってありますよね。どこまで表現出来ているか自分では分からないけど、出来るだけ監督の意に沿うように頑張りました」
これからも、映画にチャレンジしたいですか?
■桜塚:「それはもう! チャンスがあれば、こちらからお願いして、どんどん出て行きたいです。自分は何が出来るかというのを掘り下げていかなくてはいけないし、桜塚やっくんだから、ということではなく、等身大の自分として呼んで頂けたら嬉しいですね。これからも自分の出来ることを模索していかなくてはいけないなと。人生長いので(笑)」
_____________________________________
『HEY JAPANESE!Do you believe PEACE,LOVE and UNDERSTANDING?2008―2008年、イマドキジャパニーズよ。愛と平和と理解を信じるかい?―』
配給:ネイキッド
公開:2008年3月1日
劇場情報:渋谷Q-AXシネマ、MOVIX橋本、シネマート心斎橋、MOVIX堺ほか、全国にて順次公開
公式HP:http://www.nizoo.com/dplu/
■あらすじ
2008年、東京周辺を走る国道16号線沿いの郊外にある街。万引き、援交も、自分達が気持ちよければ何でもアリな女子高生たち、田舎から上京した” 自称ミュージシャン”の青年、癒しを求めて出会い系に走ってしまったサラリーマン、学校にも仕事にも行かず親に仕送りをもらいながらも合コンに精を出すニートたち…、「まとも」なはずなのに、「何かがおかしい」イマドキジャパニーズ。そんな愛すべきそれぞれのしょっぱい日常を描いたネット世代的ムービー!
_____________________________________
人物紹介
桜塚やっくん
■桜塚やっくん
9月24日、神奈川県出身。NTV「エンタの神様」の「スケバン恐子」でブレイク。そのほか映画出演作に、『カンフーくん』(08)など。
取材・文: 南野望里子