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『モンゴル』 日本公開決定記者会見

2008.02.12

浅野忠信主演『モンゴル』、ついに日本公開決定!!
日時:2008年2月8日(金)
場所:グランドプリンスホテル赤坂
登壇者:浅野忠信
『モンゴル』 日本公開決定記者会見
第80回米アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた、浅野忠信主演映画『モンゴル』。受賞の期待のかかるこの作品が、ついに日本で公開されることになった。ドイツ・ロシア・カザフキスタン・モンゴル合作の本作品が描くのは、チンギス・ハーン誕生までのモンゴル。日本での公開決定に伴い、テムジン(後のチンギス・ハーン)を演じる浅野忠信が、撮影秘話や苦労話を交えながら、その喜びを語った。


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■浅野忠信:「3年ほど前から長期間にわたってモンゴルで撮影がおこなわれました。全台詞モンゴル語だったり、未経験の乗馬をやったり、大掛かりなアクションシーンがあったりと、自分としてもかなり大きな挑戦でした。今回、アカデミー賞ノミネートもあり、このように日本での公開が決まって大変嬉しく思います」
米アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたお気持ちは?
■浅野:「まったく想像もしていなかったので、びっくりしました。とても嬉しいです」
モンゴル語はどのように勉強なさったんですか?
■浅野:「モンゴル人の先生に台詞をCDRに焼いてもらって、それをひたすら聴いていました。それでもやはり、発音はかなり難しかったです。しかも、撮影と撮影の間が1年ほどあいたことがあって、その間もずっとCDを聴いて練習していたんですが、次の撮影の一週間前に全て台詞が変えられてしまったんです。一冊覚えた台本を、また新たに一冊覚え直すことになりまして、それが本当に苦労しました」
スタッフとの意思の疎通はとれましたか?
■浅野:「アクションのトレーニングの時には、通訳の方の言葉がこちらに届かないと危ない事故につながることもあるので、その部分ではしんどい思いをしました。小さな傷は絶えずありましたね」
『モンゴル』 日本公開決定記者会見日本公開が決まった時のお気持ちは?
■浅野:「たくさんの方々からいつ日本公開になるのか、と聞かれていたので、公開が決まってほっとして、とても嬉しいです」
アカデミー賞には出席なさいますか?
■浅野:「是非行きたいのですが、スケジュール調整中でまだ決まっていません」
アカデミー賞ノミネートを受けて、奥様はどのようにおっしゃっていますか?
■浅野:「僕の苦労してきた様子を間近で見てきたので、非常に喜んでくれています。彼女は大きな支えになりました」
オスカーを獲得する自信は?
■浅野:「実は、何年か前のベネチア国際映画祭の時のことなんですが、取材を受けていた時に手にてんとう虫が止まって、それからちょっとして飛んでいったんです。それを見た現地の人たちが、こんなラッキーなことはないから、絶対にいいことが起こるよ、って言ったんですね。そうしたら、本当にいいことが起きて、ベネチア映画祭で主演男優賞をいただくことになったんです。そしてなんと今回、撮影のために北京で乗馬の練習をしていたら、またてんとう虫が手に止まったんです。ベネチアの時と同じことが起きたので、今回もいけるかもしれないですね(笑)」
この映画に出演しようと思った理由は?
■浅野:「チンギス・ハーンの映画をロシアの監督が撮る、また、その主演を日本人で考えている、というところに興味を持ちまして、監督にお会いしました」
浅野さんにとっての米アカデミー賞とはどのような存在ですか?
■浅野:「個人的な話ですが、私の母方の祖父がアメリカ人で、自分とアメリカという国に深い関わりがあるように感じていたので、いつかはアメリカの人と映画を作ってみたい、と思っていました。アカデミー賞という場所で自分が注目されるようなことがあったら本当に嬉しいです」
浅野さんが演じられたチンギス・ハーンは、どのような人物ですか? また、撮影前と後で、御自身のチンギス・ハーンに対するイメージは変わりましたか?
■浅野:「非常に力強く、自分が信じた人・ものに対して真っ直ぐな男を演じました。10歳の時に自分の妻になる人を選んで、その人を守るために死ぬ気でがんばる人物なので、本当に愛情深く、強い男です。もともと僕は、チンギス・ハーンはただただ恐ろしい人だと思っていました。でも実は温かくて、大切な人たちのためには命も惜しまないようなすばらしい人だったので、驚きました」
本作品をきっかけに、これから海外進出を前向きに考えられていますか?
■浅野:「そうですね。声をかけていただけるならば、積極的に参加していきたいと思います」
では、浅野さんの中で、海外と日本の仕事の割合は、これからどれくらいになりますか?
■浅野:「やはり僕は絶対的に日本映画に出ていきたいです。日本映画のために僕にできることがあれば、と心から思っています。そのためにも、時々海外でいろいろなことを吸収して、それを日本映画に生かせれば、と思っています」
これからこの映画を観る人たちにメッセージをお願いします。
■浅野:「僕自身、この作品を撮影するにおいて、過酷な状況でもあきらめずにがんばってきました。そしてこのテムジン(後のチンギス・ハーン)という役も、決してあきらめることなく、自分の信じる道を進んだ男です。ですので、この映画を通して、あきらめない、ということを受け取っていただければ、非常に嬉しく思います」
ベネチアに引き続き、幸運のてんとう虫が手に止まったという浅野さん。大きな挑戦であった本作品の、オスカー獲得への期待が高まる。
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『モンゴル』
配給:ティ・ジョイ、東映
公開:2008年4月5日
劇場情報:丸の内TOEI1、新宿バルト9ほか全国にて
(C)2007 CTB FILM COMPANY/ANDREYEVSKY FLAG FILM COMPANY/X FILME CREATIVE POOL/KINOFABRIKA/EURASIA FILM.ALL RIGHTS RESERVED
あらすじ
モンゴルの一部族の頭領の息子として生まれた若きテムジン。彼が部族間の陰謀・裏切りや仇討ちの渦巻く時代を生きる中、後の「大モンゴル帝国」を築く基礎となる信念と志へと到達する。
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プロフィール
『モンゴル』 日本公開決定記者会見浅野忠信
1973年生まれ。『バタアシ金魚』(90)で銀幕デビュー後、無名の若手監督の映画に多数出演。1990年代後半以降、日本映画が国際映画祭に挑戦し始めると共に常連となり、国際的にも注目される。2003年、タイや日本その他合作映画『地球で最後のふたり』でヴェネチア国際映画祭コントロコレンテ部門主演男優賞受賞。主な出演作は『御法度』(99)、『五条霊戦記』(00)、『座頭市』(03)、『サッド ヴァケイション』(07)など。
取材・文:田辺奈緒