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『魁!!男塾』坂口拓 インタビュー

2008.01.11

“女の子も立ちションしたくなる!?”坂口拓 インタビュー
出席者:坂口拓
『魁!!男塾』坂口拓 インタビュー
1985年に週刊少年ジャンプに連載された人気コミック「魁!!男塾」。強烈な登場人物たちと、破天荒な描写から実写化は不可能と言われたが、遂に実写映画化。そんな無謀ともいえる難題にチャレンジしたのは、世界的な評価を受けるアクション俳優の坂口拓。今回は、監督・脚本・主演・アクション監督と一人4役をこなし、熱き思いを注入!そんな坂口拓さんに作品のこと、アクションのことなどお聞きしました。


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何故、今、「魁!!男塾」なのでしょうか?
■坂口拓(以下、坂口)「30歳になったら映画監督をやろう、そして、デビュー作は小学生の時からの愛読書であった「魁!!男塾」にしようと決めていました。本当に勉強しないで、「魁!!男塾」ばっかり読んでいたので、こんな男になってしまいました(笑)」
そうは言っても中々、実現できる夢ではないですよね?
■坂口「最初は(原作コミックの発売元である)集英社に、プロデューサーの方が話しにいったんですけど、全然ダメでした。“次は僕に行かせてください!”といって、熱い思いを伝えたところ、ようやくOKになりました」
「魁!!男塾」はテーマ的に“男気”があると思うのですが、そこに坂口さんが込めた思いとは?
■坂口「お金をかけてCGで凄いことをやっても、「男塾」の本質とは違ってしまいます。
今回描きたかったのは、「男塾」の“男とは何か?”というテーマです。パート2がやれるのであれば、お金をかけてメチャクチャやっても良いと思っています」
全34巻もある原作コミックの中から、“驚邏大三凶殺”と“喝魂旗揚げ”のエピソードを選んだ理由は?
■坂口「登場人物はみんな超人的です。あまり彼らばかりを描くとお客さんを捨てることになるので、軟弱者の極小路秀麻呂(尾上寛之)が男として成長していく姿を通して世界観を描けば、お客さんもついてこられると思い、このエピソードを選びました」
20代後半から30代の世代はリアルタイムで「魁!!男塾」に触れていて、すんなりと作品に入ることが出来るのですが、その後の世代にはどうアピールしていきたいですか?
■坂口「最近、真っ直ぐで、無駄に熱い馬鹿がいなくなりました。こういう奴らが本当はカッコイイと思っています。映画『魁!!男塾』の根本に流れているのはコメディなので、若い人たちも笑ってくれると思いますが、終わった後に、自分の中に熱い何かが残ってくれればいいなと思っています」
今回、監督・脚本・主演・アクション監督と4役もこなしていますが、きつかったですか?
■坂口「大変でした。撮影期間が2週間半しかないなか、かなりの量を撮りましたからね。撮影組に言ったのは、“最後まで俺は立っているから。だから付いて来て”って。男気のある現場でした」
劇中、女性もあまり出てきませんしね
■坂口「富樫源次(照英)とエリカ(平田薫)のデートシーンとかですね。彼女が現れた時には、スタッフ全員から笑みがこぼれましたからね。襲い掛かるんじゃないかと思いました(笑)」
劇場映画は今回初監督ですが、ご感想は?
■坂口「これが始まりだと思っていますが、『魁!!男塾』が1作目で本当に幸せだなと思いましたね。時代に逆行するような作品ですが、多くの人に見て頂きたいですね」
時代に逆らった部分というのは?
■坂口「女の子が見ないとヒットしないという今の日本映画界で、これだけ男臭い映画を作ってしまいましたからね。でも女の子が見ても立ちションしてみたくなるような、“男気”に溢れた作品だと思っています(笑)」
坂口さんといえばアクションですが、今回のポイントは?
■坂口「“驚邏大三凶殺”の最初、虎丸龍次(山田親太郎)と月光(佳本周也)の対決は香港アクション、富樫対飛燕は60メートルぐらいの崖に、本当に吊るしてのアクションです。最後の剣桃太郎(坂口拓)と伊達臣人(榊英雄)との闘いは、僕の持ち味である次世代アクションの“マジ当て<本当にパンチや蹴りを当てる>”系です」
新しい要素はありますか?
■坂口『デス・トランス』でもマジ当てをやっていますが、俳優の顔面を殴ったのは、今回初めてですね」
痛がっていましたか?
■坂口「いえいえ、あくまでもアクションです。ギリギリのところで当てているので、痛くはないですよ。格闘技は相手を倒すのが目的ですが、アクションは相手への思いやりが大切です。相手に怪我をさせてしまった時点で、それはアクションではなくなります」
ご自身が怪我する場合は?
■坂口「ありますよ。自分の場合は当ててきてもらって全然構いません。だからアクション俳優という肩書きがつく訳です。身体張ってナンボの生き方しか出来ない、不器用な俳優です(笑)」
日本に限らず、世界的に肉体派のアクションが沈静気味ですが、この状況をどう思いますか?
■坂口「氷河期ですね。でも、自分がアクション俳優というジャンルを辞めてしまうと、誰もいなくなってしまうという思いはあるので、例え氷河期であっても続けて行きたいです。自分が良いアクション映画を作り続ければ、おのずと道は開かれるとも思っています。『魁!!男塾』もそんなにアクションが前面に出た作品ではありません。みんなが見易い映画を作って、そこに自分流のアクションを入れられれば良いと思います」
アクションの魅力とは?
■坂口「芝居の上手い下手は各国いろいろあると思うのですが、アクションには言葉が要らない分、幅が広い。アクションは世界言語だと思います」
<プロフィール>
坂口拓
1975年石川県出身。ボクシング、少林寺拳法、ムエタイなどなど、あらゆるアクションを使いこなす日本が誇るアクション俳優。01年北村龍平監督作『VERSUS-ヴァーサス』で主演デビューを飾る。その後も、アクションに限らず様々な作品に出演している。また、アクション監督としても多くの作品に参加している。本作が劇場映画監督デビュー作。
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『魁!!男塾』
公開日:2008年01月26日
劇場情報:シネマスクエアとうきゅう、シアターN渋谷ほか全国にて
配給会社:ゼアリズエンタープライズ
オフィシャルサイト:http://www.otokojuku-the-movie.com/
取材・文:伊藤P