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『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』ローワン・アトキンソン インタビュー

2007.12.18

ビーンは僕自身が絶対にやらないような事をやってしまう、演じていて楽しいキャラクター。そこからコメディは生まれる。
出席者:ローワン・アトキンソン
『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』ローワン・アトキンソン インタビュー
10年前、深夜のTVドラマ放送から日本での人気に火がつき、直後公開された映画『ビーン』は全世界2億6千万ドルというヒットを記録した、世界のコメディキャラクター、Mr. ビーン。
役者であるローワン・アトキンソンの表情や動作のみで話が展開され、彼の独特な動きや突飛な行動が笑いを誘う、ビジュアル・コメディに魅了されたファンも多い。
そのビーンが『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』で再びスクリーンに登場。
日本での公開を前に来日したローワン・アトキンソンに、今作についてのインタビューを行った。


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10年ぶりにビーンを演じられていかがでしたか?
■ローワン・アトキンソン(以下アトキンソン):「ビーンは僕が絶対にやらないような事をやってしまうキャラクターなので演じていて凄く楽しいキャラクターだね。
とにかくビーン自身が楽しいことをしたいのさ。そうあるべきじゃない時であっても彼は楽観主義だしね。自分がこうしたいと思ったら、他人がどんな迷惑を被ろうがそれをやってしまうキャラクターなんだ。
言い換えれば、子どものような自己中心さで、まさにその部分からコメディが生まれるんだ」
この映画は実際のカンヌ映画祭のレッドカーペットで撮影されたそうですが、その時映画人たちはどんな反応をしていましたか?
■アトキンソン:「実は、僕カンヌのレッドカーペットを撮影した時にはいなかったんだ。行ってしまったらそれが何の撮影であるかはバレバレになってしまうからね。共演したマックスやエマ、ウィレムはその場に混じって撮影をしていたんだけれど。
周囲は多分、それが映画の撮影だとは知らなかったはずだと思う。ウィレムがそこに居たとしても、カンヌのゲストだと皆思ったんじゃないかな。それ以外でビーンが映っているシーンは、映画祭の3週間後に、エキストラを使って撮影し直したものなんだ。
ただ、カンヌ映画祭のサポートなしにはこの映画は撮影できなかったね」
『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』ローワン・アトキンソン インタビュー今回ウィレム・デフォーが素晴らしくコメディを演じていますが、彼との共演はいかがでしたか?
■アトキンソン:「彼はとても意欲を感じてサポートしてくれたね。Mr.ビーンと共演するのは、俳優にとってとても厳しい事だと思うんだ。何と言ってもビーンは、自己中心的で自己完結してしまうキャラクターだから。
例えば映画の中で、エマが演じるサビーヌが、車の中で一生懸命ビーンに話しかけているシーンでも、ビーンは彼女が隣に居たって自分の世界に入ってしまっているんだからね。
彼に対して演技をしても、返って来るものがない。勿論それは役の上での事であって、役者として僕が共演者にそう接する訳ではないよ。
そういう風にキャラクターとして返すものがないだけに、ビーンと一緒の画面に収まった別のキャラクターを立てようとすると、なかなか難しいんだ。
ウィレムは自分自身で今回ビーンに負けないようなキャラクターを作って自信を持って演じてくれたと思う。とても勇敢だったと思うし、今までのウィレム・デフォーが出演している作品とは全く違う一面が見れると思うよ。凄く嫌味だけど、どこかチャーミングなキャラクターなんだ」
今回ビーンは「ウィ」「ノン!」「グラシアス」の3つ以外、あまり台詞らしい台詞がないのですが、そのように台詞を抑えた意図は? またそうする事によってコメディ映画としての面白さを表現するハードルは上がったと思いますが、そこに苦労はありましたか?
■アトキンソン:「元々、ビーンは言葉が極端に少ないんだ。僕自身、言葉が少ない彼のキャラクターを好んでいたしね。10年前の映画では、少し彼に喋らせ過ぎたかなと思っていたんだ。
なので今回は台詞を抑えるために舞台を外国にして、話したくても話せない状況に彼を置いたんだ。そうする事で、観客も彼が喋る事を期待しない状況を作って「ウィ」「ノン!」「グラシアス」だけを彼に言わせたんだ。
でも、これは実際の話に基づいていて、ストーリーを担当したサイモン・マックバーニーのおじさんが、ヨーロッパ中を旅していて、よく自慢したそうなんだ。『フランスでは3つの言葉だけでいけるんだぞ』ってね。
その3語しかビーンに話させないという事で生じる難しさというのは、90分間その制約の中でストーリーを紡ぐという点。短い時間のスケッチのようなフィルムであれば出来るかもしれないけれど、これだけの時間もたせるのはハードルが高いね。
だから時に場面や状況を説明させるために会話をさせたい! と思わされた時もあったけれど、それを我慢した。でも、最終的にはそれできちんとストーリーを語る事ができたと自負しているよ」
映画の原題『Mr. Bean’s Holiday』や、海に出かけるという設定が、ジャック・タチの『ぼくの伯父さんの休暇(Les Vacances de Monsieur Hulot)』彷彿とさせるのですが、タチを意識した所はありますか?
■アトキンソン:「そうなんだ! 彼は僕にとってヒーローであり、僕は彼の大ファンなので、意識はしていたよ。僕が成長をする大切な瞬間にタチの作品に出会ったんだ。彼の作品が撮影されて50年以上経った今、全てを分かった上で『Mr. Bean’s Holiday』と名づけて世に出すのは、不思議な気持ちだね。
ただ、タチの作品と単純に比較はされたくないんだ。監督もストーリーも全く違う作品だから。
けれど、映画のタイトルを考えた時に、他の候補もあったけれど『Holiday』というのが最も正確にビーンが休日に向かう感じを表現できていたと思ったので、いろいろあったけれど最終的にこれを採用したんだ」
この映画の公開を心待ちにしているファンに向けて、メッセージをお願いします。
■アトキンソン:「とにかく楽しんでください。前作を見てMr.ビーンの事を好きになって下さった方に言いたいのだけれど、前作とはスタイルやトーンが全く違うけれど、楽しく、洗練された映画に仕上がっているよ。
今回はマックス・ボルドリーという天才的な子役がストーリーの中心に登場するので、特に子どもたちには楽しんでもらえるんじゃないかな?
既に色々な国で公開されて楽しんでもらっているから、日本でも同じくらい楽しんでもらえると思うよ」
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『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』
公開日:2008年1月19日
劇場情報:みゆき座ほか全国にて
配給会社:東宝東和
公式HP:http://www.mrbean.jp/
(c)2006 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
あらすじ
教会のくじ引きで、カンヌでの1週間のヴァケーションとビデオカメラが当たったビーン。ウキウキのビーンは、早速カメラ片手に列車でパリに向かった。リヨン駅からカンヌ行きの列車に乗るところを通りすがりの男性に頼みカメラで撮影してもらうビーン。しかし、ビーンがあれこれ注文をつけているせいで列車が走り出し、男性はホームに置き去りにされてしまった。列車には父親とはぐれ、心細そうにしている10歳の男の子がいた…。