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『アイ・アム・レジェンド』 来日記者会見

2007.12.05

「そこに希望はあるのか?」――ウィル・スミス主演最新作は従来のSF映画を超えたパワフルかつ繊細な作品!
日時:2007年12月5日(火)
場所:グランドハイアット東京
出演者:ウィル・スミス、フランシス・ローレンス(監督)、アキバ・ゴールズマン(脚本・製作)
『アイ・アム・レジェンド』 来日記者会見
地球上で一人生き残った男の闘いを描いた、アクションSFスリラー映画、『アイ・アム・レジェンド』。多くのファンを持つSF小説に基づき、今まで二回映画化されてきた本作品だが、従来のSFの要素はもちろん、アクションやホラー、そして男の内部の葛藤、苦悩を繊細に描写するドラマ性も持ち合わせている。主演の“地球最後の男”にはウィル・スミス。「実際の僕の性格からして、孤独なんて考えられない!」と会見で答えるウィルは、そのシリアスなストーリーとは裏腹に、奇声を連発したり、ジョークを言ったりと、大はしゃぎ! ユーモアを交えながら、映画の裏側を存分に語ってくれた。


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主演のウィル・スミス、フランシス・ローレンス監督、脚本・製作を務めたアキバ・ゴールズマンの3人が舞台に登場。(ウィルは座るまで奇声を連発して会場を盛り上げる。そして、日本語で「コンニチハ!」と取材陣に挨拶。)
ウィル・スミスさん、主人公ネビルを演じるにあたり、どのような役作りをおこないましたか?
■ウィル:「役作りにおいては、戦争捕虜や独房の囚人たちに話を聞いて、たくさんのリサーチをしたね。彼らみんなが言ったのは、どんなに細かいことでも、スケジュールに沿って生活をするということ。例えば、9時からは爪を研ぐ、11時からは靴を脱ぐ……、みたいにね。正気を保つめに、こういう細かいスケジュールが必要なんだ」
『アイ・アム・レジェンド』 来日記者会見ローレンス監督、そんなウィル・スミスさんの演技はいかがでしたか?
■ローレンス監督:「もちろん脚本を読んでいたときからいろいろな話し合いを続けてきたけれど、実際の撮影に入った時の彼の演技は本当に目を見張るものがありました。言われたことはもちろん、さらに深く掘り下げたものまで見せてくれる、すばらしい演技力の持ち主です」
ウィル・スミスさんは明るい性格の持ち主で、孤独とはほぼ無縁だと思いますが、どんなシーンで最も孤独を感じましたか?
■ウィル:「僕の性格からして、あんな風にずっと1人でいるっていうこと自体本当に有り得ないことなんだ。人々に囲まれていると、“刺激”と“反応”が存在するだろ? つまり、誰かから刺激を受けて、それに対して反応をする。でも、1人だけの世界では、自分自身でその2つを作り出さなければならないんだ。だから、DVDショップのシーンの中では、頭の中で自分に問いかけ、そしてそれに対して返答したんだ」
ゴールズマンさん、脚本を書く上で、ネビルという人物をどのようにとらえましたか?そしてウィルさんの演技はいかがしたか?
■ゴールズマン:「脚本の作業において僕がやろうとしたのは、いかに外側をシンプルにして内側を変化させていくかということです。そういう意味で、すべての余計なものを取り払い、俳優に演技の余地を与えたんです。この映画は、ネビルという人物のキャラクターが内側に隠されているから、それをうまく表せているのは、すべてウィルのおかげですね」
この映画に続編の可能性はありますか?
■ウィル:「映画を作るとき、いつでも続編の可能性は考えるけど、僕はこのエンディングがベストだと思ってるし、原作にも沿っている。あるとしたら、本作より前の出来事を語る作品はできるかもしれないね。でもまずは、今回の作品を気に入ってもらわなきゃ!」
『アイ・アム・レジェンド』 来日記者会見主人公ネビルの残された相棒は愛犬のサムでしたが、実際ウィル・スミスさんが地球最後の1人になったら、誰を相棒にしたいですか?
■ウィル:「差しさわりがあるから悪いジョークは言わないとしよう…(笑)。この映画のすばらしさは、自分が地球上最後の人間だったらどうするか、っていうことを、誰もが疑問に持つということだよね。誰かに怒ったり、“みんないなくなっちゃえ!!”って思ったりすることがあっても、結局は僕たちはお互いが絶対に必要なんだ。たった1人になることは、この世の終わりだからね。僕だったら、近くのビルにでも飛び込んで、誰でもいいから人をつかまえるね」
愛犬サムとの共演はいかがでしたか?
■ウィル:「サムは本当に利口な犬なんだ。今まで、犬の中でこんなにも知的レベルの格差があるなんて知らなかったよ! 多くの人がペットを飼っているけど、ほとんどが間抜けな犬だよね(笑)。でもサムはものすごく頭がいいんだ。僕はトレーナーに彼女を譲ってくれって頼んだんだけど、家族がいるって言われて断念したんだよ」
アクションシーンですばらしい銃器の扱いが見られますが、それにあたりハードなトレーニングはありましたか?
■ウィル:「僕の演じた役は軍の士官だったから、武器の知識があって、その扱いに長けていなければならなかった。そこが演技において難しかったところかな。僕は基本的に俳優として、武器の正確な扱い方、つまり、どのような動き、表情をするのかを、しっかり把握して取り組みたいと思ってるんだ」
ローレンス監督はアクションシーンにおいて、ウィル・スミスさんに何か注文がありましたか?
■ローレンス監督:「僕はアクションシーンには“本物であること”を重んじます。その点に関しては、ウィルは非常に研究熱心なので、全く心配ありませんでした。だから、僕としては、その場面場面においてのウィルの写り方、例えば、足を怪我した場合、適度に足を引きずって見えるか、など、全体を考えることに集中できました」
『アイ・アム・レジェンド』 来日記者会見過去2回、同じ原作に基づいて映画化がされていますが、監督とゴールズマンさんにとって、本作品が他の作品と違うと思うところはどこですか?
■ローレンス監督:「これまでの2作品と異なると思うところは、主人公ネビルという人格の内面の旅にフォーカスを置いているということです。前2作は“SFジャンルの映画”という位置づけでしたが、今回はその考えを崩して、多くのものを失った、1人の男の苦しみに重点を置いています」
■ゴールズマン:「1950、60、70年代、人々はSFをめずらしさの対象として見ていました。『猿の惑星』(68)、『Silent Running』(72)、『Soylent Green』(73)などの映画には、SFというジャンルを通して、人々に自らの世界である地球を見つめなおさせる、という試みがありました。近年SFは、以前ほどの人気はなくなったけれども、これまでのSFというジャンルの性質に、新たにドラマ性をプラスすると、非常に興味深いものになると思っています」
ウィル・スミスさん、ブラジル人女優アリーシー・ブラガとの共演はいかがでしたか?
■ウィル:「初めて彼女に会ったとき、その美しい目の中に、はつらつとした若々しさと、生きる喜びを見たんだ。まさに、絶望の世界でも神の存在を信じるアナのキャラクターにぴったりだと思ったよ」
ウィル・スミスさん、本作品を通して得たものは?
■ウィル:「僕らは実際、自分たちの頭の中で起こっていることに、あまり注意を払わないんだ。だから、この映画で現実と離れて、自分自身と過ごしたことはすごく興味深かったよ。僕が思うのは、個人個人が自分を見つめて向上すれば、世界も少しずつ良くなる、ということ。外の問題ばかりを見つけるんじゃなくて、自らの中にある問題とまず向き合うこと、その結果として、世界は良いものになっていくと思うんだ。世界を変える力は、人間の内側に存在する、ということを僕は学んだよ」
私たちに説得力あるメッセージを残してくれたウィル・スミス。彼の魅力のすべてが注ぎ込まれたこの作品は、新しいSFアクション映画としてセンセーションを起こすことは間違いないだろう。
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『アイ・アム・レジェンド』
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:2007年12月14日
劇場情報:サロンパス ルーブル丸の内ほか全国にて
公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/iamlegend/
(C)2007 Warner Bros. Entertainment Inc.
あらすじ
2012年。人類が死滅してしまった地球でたった1人、有能な科学者のロバート・ネビルだけが生き残る。彼は究極の孤独と闘いながら愛犬サムとともに3年もの間、ほかの生存者の存在を信じて無線で交信を続ける。太陽の光が消え去ると、いっせいにうごめき出す不気味な影、“ダーク・シーカーズ”の脅威と闘いながら、途切れそうになる希望をたぐり続ける日々。やがてネビルは、ある驚くべき事実に気づく……。
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プロフィール
『アイ・アム・レジェンド』 来日記者会見ウィル・スミス
1968年ペンシルヴェニア州生まれ。高校在学中からプロのミュージシャンとして活躍し、数々の音楽賞に輝く。90年代から俳優業にも進出し、人気TVドラマの主演を果たした。映画界においても、『バッドボーイズ』1,2作(95,03)、『インデペンデンス・デイ』(96)、『メン・イン・ブラック』1,2作(97,02)といった話題作で人気を不動にし、2001年、『ALI アリ』で伝説のボクサー、モハメド・アリを演じて米アカデミー賞、ゴールデングローブ賞にノミネートされ、実話にもとづく『幸せのちから』(06)では主演と製作を兼ねて米アカデミー賞、ゴールデングローブ小、全米映画俳優協会賞にノミネートされた。
『アイ・アム・レジェンド』 来日記者会見フランシス・ローレンス(監督)
1970年オーストリア、ウィーン出身。米ロサンゼルスで育ち、幼い頃より映画監督を志し、自主制作を続ける。大学卒業後、ジャネット・ジャクソン、ブリト二ー・スピアーズ、ジェニファー・ロペスなど、今の音楽界を代表するアーティストのミュージックビデオの演出家として名をはせ、MTVビデオ音楽賞の常連となる。映画界には、スタイリッシュな映像で話題を呼んだスリラー大作『コンスタンティン』(05)で進出を果たした。
『アイ・アム・レジェンド』 来日記者会見アキバ・ゴールズマン(脚本・製作)
1962年ニューヨーク州生まれ。ロン・ハワード監督のオスカー受賞作『ビューティフル・マインド』(01)の脚本で2001年米アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、全米脚本家協会賞に輝き、同監督の『シンデレラマン』(05)で英アカデミー賞、全米脚本家協会賞にノミネートされた。おもな担当作に、『依頼人』(94)、『バットマン・フォーエヴァー』(95)、『評決のとき』(96)、『アイ,ロボット』(04)、『ダ・ヴィンチ・コード』(06)などがある。2008年には、本作のウィル・スミス主演『Hancock』やフランシス・ローレンス監督『Eddie Dickens and the Awful End』が公開を控えている。
取材・文:田辺奈緒