vol.43『焼肉ドラゴン』真木よう子さん、井上真央さん、桜庭ななみさんインタビュー

「泣いて笑って家族の物語」

「焼肉」と名のつく作品だから、てっきり焼肉を食べたくなるのだと思っていた。(お肉好きの単純思考ですみません。)

2008年、日本の新国立劇場と韓国の芸術の殿堂(ソウル・アート・センター)のコラボレーションで製作され(11年、16年再演)演劇賞を総なめにした伝説の舞台「焼肉ドラゴン」。

演劇界を代表する劇作家・鄭義信が自身の舞台を映画化。映画用に自ら脚本を執筆し、初監督を務めた。

高度成長期、万国博覧会が催された1970年。関西の地方都市の一角で、一家が営む小さな焼肉店「焼肉ドラゴン」。故郷を奪われた6人家族が、時代の波に翻弄されながらも、泣いて笑って、力強く生きる姿を描いた本作。

三姉妹の長女・静花を真木よう子さん、次女・梨花を井上真央さん、三女・美花を桜庭ななみさんが演じ、大泉洋さんが静香への思いを秘めつつ、梨花と結婚する哲男を。そして、韓国の名優、キム・サンホさん、イ・ジョンウンさんが父母を演じています。

最初、関西弁と韓国語の会話の勢いに圧倒されましたが、セリフがとても印象深く、心に刻まれます。

屋根の上のシーンでの父・龍吉のセリフ。

「たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる。」

物語の後半になるにつれ、この言葉が体に染み渡ります。

 

今回は、三姉妹を演じた、真木よう子さん、井上真央さん、桜庭ななみさんにインタビュー。

テーブルを挟んで至近距離で美しい女優さん3人のお話を伺う貴重な取材でした。

鄭監督も登壇された舞台挨拶の様子も含めてお伝えします。

「安心できるお父さんお母さん」

――韓国映画には欠かせない名優キム・サンホさんとの共演について

真木さん:お父さんは本当に面白い方でしたね。お酒大好きで、よくご飯に連れて行ってもらったりとか、現場でも場の空気を和ませてくれるような冗談を言ったり、面白い韓国語を教えてくれたり。お芝居をしている時も、もちろん真面目なシーンではきちんと決めるんですけど、そうでないときはふざけてみたり、一緒に居て安心できる方でしたね。

――キムさんは日本語はお話になるんですか?

真木さん:そんなにお話にはなれないですけど、きちんと勉強してきてくださったみたいで、「ありがとうございます」とか覚えてきた日本語をたくさん使ってくださって嬉しかったです。初めは通訳さんを介してでしたけど、だんだん何も言わなくても何を考えているとかがわかってきて、悲しいシーンも側にいるだけで安心する、言葉ではないコミュニケーションもありましたね。

井上さん:一番のムードメーカーだったと思います。技術や見せ方ではなく、本当にお父さんとして存在していらっしゃいました。お母さんも、私たちそれぞれに「静花に対してはこう考えているよ」「梨花のことはこう思っているよ」と通訳さんや翻訳アプリを通して一生懸命伝えてくださいました。

――すごく素直な感情表現をしてくださる方ですね。

井上さん:そうですね。二人のシーンの撮影前に「お父さんは三姉妹の中で梨花のことが本当に心配なんだ」って言ってくださいました。

――優しいですね!

井上さん:別れのシーンが撮影のラストだったのですが、本当に寂しくなりました。そうなれたのは、お父さん、お母さんの愛情の深さのおかげだなぁと思います。

桜庭さん:キム・サンホさんはこの家族を包みこんでくれた存在です。イ・ジョンウンさんもそうなんですけど、1ヵ月の撮影でこの家族の雰囲気を作ってくれたのはこの二人のおかげだと思います。お父さんとお母さんがいてくれたからこそ、この家族になったんだなと思いました。一人ひとりのことを想ってくれて、あたたかい、大きな存在でした。

――オフショットの写真を拝見すると皆さんの仲が良かったんだろうなというのが伝わりました。

桜庭さん:この1ヵ月間、このキャストの皆さんと一緒に撮影出来て本当に居心地が良かったですし、ご飯を一緒に食べるのも、「一緒に食べましょう」というのではなくて、自然と家族で集まる席になっていたり。そういう雰囲気がすごく良かったです。

 

 

「イタズラされた真木さんは」

舞台挨拶では、桜庭さんが撮影中の三姉妹の様子を教えてくれました。

桜庭さん:本当に楽しかったです。真木さんはクールなんですが、本当に優しくて、かまって欲しくてちょっとだけイタズラをしたくなるようなそんなお姉さんなんです。そうですよね、井上さん?

井上さん:最初は怖い方かなと思いましたが、何をしても笑って許してくれるんです(笑)。

桜庭さん:泥の味とかミミズの味とかいうそういうビーンズがあるんですが、それを真木さんに食べてみてくださいって、言ってしまいました(汗)。

真木さん:思い出した。そうそう食べさせられた(笑)。

桜庭さん:本当にすみませんでした…(汗)。

真木さん:結果的に可愛いから許しちゃうんですよね。だってこんな可愛い妹がいたら許しますよ。顔を見るだけで十分です(笑)。

井上さん:頼りになる姉もいて、かわいい妹と弟もできて、本当に毎日楽しかったですね。

鄭監督:真木さんは男前です。情に厚いというか、とても気持ちが大きく揺れ動く人だなという感じ。真央ちゃんはとても自分の立ち居地がわかる頭のいい次女というか、こちらの要求したことをちゃんと理解してそれをきちんと自分なりに消化して演技のできる人だなとすごく感心しました。ななみちゃんは、とても可愛いです(笑)。最初に会ったときは、どうなるかな?みたいなのはあったんですが、どんどん良くなって、若いからどんどん吸収して最後には堂々とベテラン相手にやっていくという。だから、三人三様の魅力が詰まっていると思います。

 

「焼肉ドラゴン」はお肉のお話ではありませんが、肉親のように繋がった日韓の俳優さんたちが紡いだあたたかな家族の物語です。

 

 

『焼肉ドラゴン』
公開日:2018年6月22日(金)
劇場:全国にて
配給:KADOKAWA、ファントム・フィルム
公式サイト:http://yakinikudragon.com/
(C) 2018「焼肉ドラゴン」製作委員会

▼作品ページ
https://cinema.co.jp/title/detail?id=82125

神取恭子(かんどり きょうこ)

フリーアナウンサー、椙山女学園大学非常勤講師。愛知県西尾市出身、1977年生まれ。
現在は名古屋テレビ放送の情報番組「デルサタ」、音楽番組「BOMBER-E」にレギュラー出演。
2002年から名古屋テレビ放送(メ〜テレ)の局アナウンサーを勤め、番組「ドデスカ!」や「昼まで待てない!」などで映画監督、俳優、ハリウッドスター500人以上にインタビューを行い、舞台挨拶の経験も豊富。
他にも、報道現場でのリポートやスポーツ番組のリポーターを勤めた。
ANNアナウンサー賞 ナレーション部門受賞。
趣味は映画鑑賞(年間200本以上)、お肉を食べること(お肉検定1級)、プロレス観戦。

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