vol.28『羊と鋼の森』上白石萌音さん、萌歌さんインタビュー

羊と鋼の森

「原作は本屋大賞」

とても原作を大切にしている作品だと思った。

2016年、第13回本屋大賞を受賞した宮下奈都さんの小説「羊と鋼の森」。

と言いつつ、すみません。原作はまだ読んでいませんが、すぐにでも読みたい衝動に駆られました。

映画はとても丁寧で、森の香りがスクリーンから漂ってくるようで、

文字だったらどんな表現をしているのか、とても興味が湧きます。

ピアノの調律師を描いた作品ですが、どんな人の人生にも置き換えられます。

主人公の外村、外村がピアノの調律師を目指すきっかけとなる板鳥、先輩調律師の柳、ピアニストの高校生姉妹。

それぞれが口にするセリフが、まるで自分に言われているようで、あたたかく、力強く、心に沁みました。

今回は、姉妹初共演の上白石萌音さん、上白石萌歌さんにインタビュー!

萌歌さんは以前インタビューさせてもったことがあり、

萌歌さん:「わーすごい前だ!中学生でしたよね!」

萌音さん:「(萌歌は)大学生になりました!」

姉妹の仲の良さが最初から滲み出ていました♪

「調律師とは」

将来の夢を持っていなかった主人公・外村(山崎賢人)は、高校でピアノ調律師・板鳥(三浦友和)に出会う。

彼が調律したその音に、生まれ故郷と同じ森の匂いを感じた外村は、調律の世界に魅せられ、

果てしなく深く遠い森のようなその世界に、足を踏み入れる。

時に迷い悩みながらも、先輩調律師・柳(鈴木亮平)やピアノに関わる多くの人に支えられ、磨かれて、外村は調律師として、人として、逞しく成長していく。

そして、ピアニストの姉妹・和音(上白石萌音)由仁(上白石萌歌)との出会いが、“才能”に悩む外村の人生を変えることに・・・。

羊と鋼の森

これまで、ピアノやクラシック音楽には興味があり、オーケストラや今作のテーマ曲を演奏している辻井伸行さんのリサイタルに行ったことがありましたが、

ホールの前列から急勾配の後方の席まで、美しい音色が届く、その裏には“調律師”さんの存在があることを、この作品に出会うまでまったく意識していませんでした。

かつて、我が家にもピアノがありました。私はピアノの練習が嫌いで、まったく練習をせずに今に至ります。三姉妹で、かろうじて妹が少し弾ける程度です。

もう弾く人がいないということで、何年か前に売りに出してしまったのですが、それまで調律師さんが訪れてくれたことを思い出しました。

今作に登場する調律師・外村や柳、板鳥、秋野(光石研)を足して割ったような雰囲気の方で、物静かで、黙々と作業をされていました。

調律が終わると、我が家では宝の持ち腐れだったピアノが、本来の姿を取り戻したように見えました。

作品の中でも、外村たち調律師さんが調律の最後にピアノを丁寧に磨き上げるのですが、持ち主の思いと、そのピアノ自体を愛でているようで、とても好きなシーンです。

我が家のピアノを一番大切にしてくれたのは調律師さんだったのかもしれません。

「家でピアノの取り合い?!」

羊と鋼の森

Q.初めての姉妹共演について、

萌音さん:「これまではそれぞれが違う作品の台本を持って、不安なシーンを“ちょっとお姉ちゃん、この役やって”とか、家で読み合わせにお互い付き合ったりしていたのが、今回は同じ作品の同じ台本を持って、自分の役としてセリフを合わせたり、家で自分の本来の役で読み合わせできるというのが大きくて、面白くて、楽しくて、今までとは一番の違いでしたね。(萌歌さんに)何かありました?」

萌歌さん:「姉って自分に一番近しい存在なので、そういう存在がお家を出て仕事現場にいるっている感覚がすごく不思議で、緊張感のある現場だけど、一緒にいるので安心感があるというか。姉妹の関係をお家から持っていけたので、それが役作りにもなって良かったです。」

Q.ピアニストの役について、

萌歌さん:「いや~難しかったです。生まれてからずっと弾いてきた役で、ピアノと一緒に成長してきたという二人なので、もちろん技法に追いつくのは難しいですけど、ピアノに対する思いとか姿勢とかをうまく反映できればいいなと思いながら練習をしていました。それにしても難しかったですね。」

萌音さん:「家にピアノが一台あるんですけど、取り合いでした(笑)。“そろそろいいかな!?”みたいな(笑)。連弾のシーンもあるので、二人で並んで練習したり、楽しかったね。ピアノに向き合っている時間がそのまま役に向き合っている時間だったので、ピアノの練習に費やした分、役に近づいていっているような気がして、だからずっとピアノのことを考えていました。」

Q.共演された山崎賢人さん、鈴木亮平さんとは和気藹々としていたそうですが?

萌音さん:「とにかく賢人くんと亮平さんがナイスコンビで、映画の中でもそうなんですけどお二人の空気感がぴったりで、何ともいえない絶妙な間があって。山崎さんは天然というか、やわらかい雰囲気で、そこにバンバン亮平さんがつっ込んで、つっ込んで、みたいな(笑)。私たちもずっと笑っていた印象があります。そうやって場を和ませてくださったのかなと思って、おかげで伸び伸びできた気がします。」

萌歌さん:「すごく繊細で静かなお話なんですけど、撮影はすごく和気藹々としていて。例えば、私たちが連弾して、外村さんが調律をするシーンは皆で弾いたりとか(笑)。」

萌音:「そう!3人で変な曲を作ったりして、スタッフさんに怒られてました(笑)。“ちょっといま静かにしてもらっていいかな!”って。」

萌歌さん:「それぐらいすごく仲が良くて、特に賢人くんはね、私たちはお兄ちゃんのようにずっと遊んでもらって。」

萌音さん:「由仁は快活な女の子なんですけど、外村と和音は陰か陽かで言えば、陰みたいなタイプで、内に秘めている感じなんですけど、実際の性格は二人ともそうじゃなくて、カットかかった瞬間に吹っ切れる何かかがあって、すごくふざけてましたね(笑)。」

萌歌さん:「そのタイミングがシンクロしていて、おーと思いました!」

萌音さん:「“カット!”、(山崎&萌音)“うわー!”みたいな(笑)。」

Q.姉妹お互いについて、今回尊敬したところは?

萌音さん:「現場にいる萌歌というのをまったく知らなかったので、今回初めてこうやってるんだ~って(笑)。お芝居以外だと、人との関わり方がすごく上手いなと思いました。すっと懐に入るんですよね。スタッフさんともすぐ打ち解けるし、自然体でやっていることで、本人は意識していないと思うんですけど。私は小さいころの萌歌を知っているので、人見知りで、お母さんの後ろにずっと隠れてるような子だったので、成長したなと(笑)。取材ですごい喋ってるので、萌歌すごいな!大人になったな!って」

萌歌さん:「親なの(笑)?」

萌音さん:「あと、集中力がすごくて。“よーい、スタート”からの由仁への入り込み方がすごくて、それを見ていたから私もスッと和音になれた感じはありました。褒めたよ!褒めたからね、私(笑)。」

萌歌さん:「(笑)。私も姉の舞台に足を運んだり、映画を何回も見たんですけど、間近にお芝居を見るのは本当に初めての経験で。姉は撮影期間はそのキャラクターがベースになる派なんですよ。憑依型というか。北海道で撮影したんですけど、北海道にいる間はずっと姉の中に和音を感じたりしていたので、役に飛び込む精神とか、あとピアノもすごく練習して、短期間で上達していたので、それを見て私も、あ、弾かなきゃって焦りながらやっていて、姉のお芝居する姿を生で見られて良かったなって思います。一番勉強になりました。」

萌音:「あら!あら!」

萌歌:「もう、言わないからね(笑)。」

Q.今回の撮影で得たものは?

萌音さん:「私はすごく心に残っている言葉があって、それは橋本監督に言われた言葉なんですけど。和音が決意をしてピアノを弾くシーンのときに、ある感情を和音に乗せてほしいって言われたんですけど、“それは、万人が見て、万人がわかるものじゃなくていいんだ。映画は100人が見て1人に届けばいい。人は皆違うから、感じ方も皆違って、1人は面白いって言うかもしれない、1人は退屈だって言うかもしれない。誰かが喜劇だって言うかもしれないし、これは悲劇だって言う人がいるかもしれない。映画の中の何かひとつが、たった1人に届けばいいから。”っておっしゃっていたのが、すごい言葉だなって思いました。監督は撮りたいものを撮っていて、映画は監督のものだから、役者はそこにひたすら近づく近づくという作業だと私は思うんですけど、その1人に向けてこれからもやっていこうという思いが芽生えた気がします。」

萌歌さん:「すごい言葉だよね。作品ごとの向き合う役がそれぞれいて、今回私は由仁という役に向き合って、ピアノを通して向き合いながら、由仁は色々なことを乗り越えながらも、自分の道を定めて進んでいけるので、その役に出会えたことが財産だなって思います。」

 

「スタンプラリーで映画を見よう♪」

萌音さん、萌歌さんは、インタビューの後に、名古屋の久屋大通庭園フラリエに訪れ、5月7日からスタートする映画公開記念のPRイベントを行いました。

フラリエでは、園内の池に睡蓮を植え、画家クロード・モネの『睡蓮の池』を再現する企画が進行中、ということでお二人はモネの池企画に参加。

(お分かりだと思いますが、“モネ=萌音”ということで。)

羊と鋼の森

萌音さん:「同じ“モネ”という名前として親近感があります!モネの作品は好きなので、名古屋で今展示をやっているということで、今度見に行ってみたいと思います。」

萌歌さん:「植樹をしたのはこれが始めてです。私たちが植えた睡蓮が、映画の公開と同じ 6 月に咲くので、非常に楽しみです!」

とコメントしました。

 

【「羊と鋼の森」公開記念 名古屋の観光スポットを巡るスタンプラリー】

羊と鋼の森

期間:5月7日(月)~6月3日(日)
内容:作品タイトルにちなみに、『羊』(東山動植物園)『鋼』(名古屋テレビ塔)『森』(久屋大通庭園フラリエ)をめぐるスタンプラリー。応募用紙は各施設、名古屋観光案内所(金山・栄オアシス 21)に設置。3か所のスタンプを集めて応募した方の中から抽選で 50 組100 名様に映画鑑賞券が当たる。

 

『羊と鋼の森』は、目と耳が癒されるとともに、心震える作品です。

悩んでもがいた経験のある方、いまその真っ只中という方、

外村はもちろん、萌音さん、萌歌さん演じる姉妹の選択と覚悟に、きっと勇気をもらえるはずですよ!

 

 

『羊と鋼の森』
公開日:2018年6月8日(金)
劇場:全国にて
配給:東宝
公式HP:http://hitsuji-hagane-movie.com/
(C)2018「羊と鋼の森」製作委員会

▼作品ページ
http://cinema.co.jp/title/detail?id=82350

羊と鋼の森

神取 恭子(かんどり きょうこ)

フリーアナウンサー、椙山女学園大学非常勤講師。愛知県西尾市出身、1977年生まれ。
現在は名古屋テレビ放送の情報番組「デルサタ」、音楽番組「BOMBER-E」にレギュラー出演。
2002年から名古屋テレビ放送(メ〜テレ)の局アナウンサーを勤め、番組「ドデスカ!」や「昼まで待てない!」などで映画監督、俳優、ハリウッドスター500人以上にインタビューを行い、舞台挨拶の経験も豊富。
他にも、報道現場でのリポートやスポーツ番組のリポーターを勤めた。
ANNアナウンサー賞 ナレーション部門受賞。
趣味は映画鑑賞(年間200本以上)、お肉を食べること(お肉検定1級)、プロレス観戦。

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