『紀元前1万年』ローランド・エメリッヒ監督 インタビュー

2008.04.25

“超大作映画が大好き! ローランド・エメリッヒ監督 インタビュー ”
出席者:ローランド・エメリッヒ監督
『紀元前1万年』ローランド・エメリッヒ監督 インタビュー
はるか遠い昔のとある山奥。マンモス狩りをする若いハンター、デレーの住む村が、謎の集団に襲われ、愛を誓い合った美しい女性エバレットと住民が連れ去られてしまう。デレーは彼女と住民を救うため、少数の仲間と共に後を追う。しかし、彼らには想像を絶する過酷な試練が待ち受けていた…。
『インデペンデンス・デイ』(’96)、『GODZILLA/ゴジラ』(’98)、『デイ・アフター・トゥモロー』(’04)と、驚異の映像で我々の度肝を抜き続けてきたローランド・エメリッヒ監督。最新作となる『紀元前1万年』はタイトルが示すとおり、古代の世界で繰り広げられるアドベンチャー大作だ。本作でも“らしさ”を遺憾なく発揮しているローランド・エメリッヒ監督にお話をお聞きました。


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本作を作ろうと思ったきっかけは?
■ローランド・エメリッヒ監督(以下、エメリッヒ監督):「15年前にマンモス狩りのドキュメンタリーを見たのがきっかけです。私は常に新しい世界を、スクリーンで見せていきたいと思っています」
マンモスにピラミッドと、発想がユニークでした
■エメリッヒ監督:「共同脚本のハラルド・クローサーと一緒に物語を書いたのですが、エンディングが決まっていませんでした。いろいろと考えていた頃、グラハム・ハンコックの“神々の指紋”を読みました。そこに“ギザのピラミッドは失われた文明によって建築された”と書かれていて、そこからインスパイアされて、後半にピラミッドのくだりを持ってきました」
本作のテーマは“愛”だと思ったのですが?
■エメリッヒ監督:「確かに愛は主人公が旅に出る動機になっています。でもある時点で、主人公は“大きな善のためには、愛をあきらめなくてはならない”という教訓を学びます。愛もありますが、旅を通して責任感を持つようになる主人公の成長が、物語の核になっています」
毎回すごい映像ですが、今回、特にこだわった部分は?
■エメリッヒ監督:「動物ですね。CGでは毛と水の表現が一番難しいとされているのですが、今回は毛の生えた動物がたくさん出てきますし、体毛のある動物が水の中にいるというシーンもありました。あと後半部分のピラミッドのシーンは、模型を屋外で撮影した後、コンピューターでCGの処理をしています。今までにないスケール感だったので大変でした」
VFX以外で大変だった部分は?
■エメリッヒ監督:「95%屋外での撮影でした。ロケ地までヘリコプターで行き、高い山の上で撮影をしたので、今までで一番肉体的にきつかったです」
本作の鑑賞のポイントは?
■エメリッヒ監督:「最初から見て欲しいです。それは冗談として、オープンな気持ちで見て欲しいです。先入観を持って見ると、自分の思い描いたことと、実際の映画を比較しながら見てしまう危険性があります。先入観のない状態で、この作品の世界に入って行って欲しいです」
エメリッヒ監督はドイツ人ですが、なぜ祖国で映画を撮らないのでしょうか?
■エメリッヒ監督:「ギャラが安いんですよ(笑)。昔、低予算ですが4本、ドイツで映画を撮りました。その後、ハリウッドから誘われて大作を作るチャンスを得ました。自分は大作映画を作ってみたかったので、今はとても幸せです」
多くのヨーロッパの監督たちがハリウッドに招かれ、結局水が合わずに祖国に戻ってしまいましたが、エメリッヒ監督は違うようですね
■エメリッヒ監督:「私は小さい頃からアメリカ映画が大好きでした。ドイツで撮った作品はアメリカ的で、そのため非難もされました。私が作りたい作品はアメリカ的なので、アメリカで映画を作ることは、自分にとってごく自然なことなのです。ヨーロッパの監督は自分のスタイルを持っているので、ハリウッドの型にはまるのを嫌がるケースが多いのではないでしょうか?」
具体的にどのようなアメリカ映画を見ていたのでしょうか?
■エメリッヒ監督:「小さい頃はドイツ映画も見ていましたよ。アメリカ映画はテレビでヒッチコックとかクラシックな作品を見ていました。そして、1977年に映画学校に通うようになったのですが、丁度その頃『スター・ウォーズ』や『未知との遭遇』が大ヒットしていて、“こういう映画が作りたい”と思ったのです」
砂漠、宇宙、怪獣、災害、古代と様々撮ってきましたが、次回作は?
■エメリッヒ監督:「世界の終わりを描いている『2012』という作品を夏から撮ります」
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『紀元前1万年』
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:2008年4月26日 (土)
劇場情報:丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にて
公式HP: http://wwws.warnerbros.co.jp/10000bc/
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人物紹介
ローランド・エメリッヒ
ローランド・エメリッヒ
ドイツ出身。ミュンヘン映画学校で学び、卒業制作作品の『スペースノア』が84年ベルリン映画祭のコンペティション部門に出品され、世界20カ国以上で公開された。その後、制作会社を設立し、『MOON<ムーン>44』(’90)などを監督した。92年に『ユニバーサル・ソルジャー』でハリウッドデビューを果たす。94年『スターゲイト』(’94)を経て、96年に『インデペンデス・デイ』を監督し、全世界で興収8億1600万ドル以上を記録し、96年度の興収第一位となり、アカデミー賞視覚効果賞にも輝いた。以降、『GODZILLA/ゴジラ』(’98)、『パトリオット』(’00)、『デイ・アフター・トゥモロー』(’04)といった超大作を監督し続けている。
取材・文:伊藤P



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