『Sweet Rain 死神の精度』 完成報告記者会見

2008.01.29

久々の日本映画で金城武が演じるのは、なんと“死神”!
日時:1月27日(日)
場所:東京国際フォーラム
出席者:金城武、小西真奈美、富司純子、筧昌也監督
『Sweet Rain 死神の精度』 完成報告記者会見
ウォン・カーワイ、チャン・イーモウ、アンドリュー・ラウ、ジョン・ウーら世界が認めるアジアの監督の作品で活躍する金城武が6年ぶりに主演する日本映画『Sweet Rain 死神の精度』が完成し、共演の小西真奈美、富司純子、監督の筧昌也と共に記者会見に臨んだ。金城が演じるのは、人の生と死の判定を下す死神役。ただし、死神というおどろおどろしいイメージとは180度異なるユーモラスでユニークなキャラクターだ。人気作家伊坂幸太郎の「死神の精度」を原作に、自ら脚本を手がけメガホンをとったのは、本作が長編映画デビューとなる『美女缶』の新鋭・筧昌也。1985年、2007年、2028年を舞台に繰り広げられる人間ドラマの撮影をそれぞれが振り返った。


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まずは死神・千葉役の金城武さんからご挨拶
『Sweet Rain 死神の精度』 完成報告記者会見■金城:「死神の千葉です。今日は会見に来ていただいてありがとうございます」
続いて、度重なる不幸に見舞われるOL・藤木一恵役の小西真奈美さん
■小西:「撮影はだいぶ前に終わったんですが、最初のシーンから金城さんとはまったく噛み合っていなくて(笑)、その噛み合っていない具合が絶妙にこの作品をいい方向に持って行ってくれていると思います」
次に、美容師のかずえ役、富司純子さん
■富司:「とても楽しい撮影の時間を過ごさせていただいた作品です。どうぞよろしくお願いします」
そして、監督・脚本の筧昌也さん
■筧:「皆さん初めまして。初めての長編映画であり、これだけの規模の公開の作品自体初めてで光栄に思っています。こういう記者会見も今日が初めてなんで、世の中にこんなにカメラがあるのかと思うぐらいフラッシュがすごくて、ただでさえ目が細いのに(笑)、多分つぶっちゃって使えないと思いますが、よろしくお願いします」
昨年の5月から7月末にかけて撮影が行われたということですが、まず、思い出のエピソードをお話いただけますか。
『Sweet Rain 死神の精度』 完成報告記者会見■金城:「千葉が現れると必ず雨が降るという設定なので、5月から7月の梅雨狙いで撮ったんですが、生憎あまり降ってくれなくて。常に雨を降らせる機材が傍にあって。今日はダメだなとなったら、すぐに雨を降らせる仕込みに入っていました。雨を降らせる準備を待つという印象が強く残っています」
■小西:「やはり雨のシーンは印象的でしたね。でも、私が撮影に入る日はほとんど晴れるというか、実は晴れ女の要素を持っているので、現場に行く度に申し訳ないなと思いながら、こんなにも雨を願うシーンを撮らせていただくのは初めてでした。もちろん本物の雨もあるんですが、スタッフの皆さんが降らせてくれたことが何度もあって、その雨のシーンはこの作品の中でほんとうに印象的に描かれていて素晴らしいと思います」
■富司:「美容室はロケ・セットだったんですね。前日に下見に行ったんですが、美容室のセットの一軒家がほんとうに素晴らしくて、映らないだろう後ろ側まできちんと出来上がっていて、そのときに心を掴まれたというか、こんな素敵なセットをつくってくださって、きっといい映画になるなという予感があって、とても幸せな時間が過ごせましたので、ぜひ楽しんで観ていただきたいなと思います」
■筧:「3章構成の映画でして、すべてに関わっているのは僕と金城さんで、小西さんが1章、富司さんは3章目ということでなんですが、僕は皆さんのキャラクターづくりの考え方の深さに日々感動していました。打合せのときに、富司さんと衣装合わせをして、どんな髪形にするか、僕なりにイメージがあったんですが、それをいい意味で覆していただいて、とても良かったなと思います。小西さんは初日のシーンで、藤木一恵像しっかりつくられてきていて、自分が書いた本なのにも関わらず、自分の力不足を感じつつ、非常に感動しました。そして、毎日毎日、全シーンに関して千葉役の金城さんとはどんな芝居をするか話し合ったんですが、一流俳優である金城さんはにはクリエイターというか、作り手の立場にたったアドバイスやアイディアも出していただきました。毎日一緒にいて、密度の濃い2ヶ月間を過ごしたと思っています」
金城さんは特異な死神を演じられましたが、これまで抱いていた死神に対するイメージは変わりましたか? また、死神の役作りはどのようになさいましたか?
■金城:「死神を演じるというよりは伊坂さんの小説を読んで、その千葉役ということでしたから、一般的なマンガで描かれるような鎌を持ったイメージというのはなかったんです。伊坂さんの描く千葉という死神がユニークで、そのイメージがありましたから、ギャップというのはなくて、台本ではどういう風に描かれるのかなって思って読んでました」
いたる所にミュージックが溢れた映画ですが、撮影現場では実際にヘッドホンやラジカセでどんな音楽を聴いていたんですか?
■金城:「ヘッドホーンをしているシーンですか? あれは日本映画の素晴らしいところだと思うんですけど、あの時代の音楽が流れていたんです。僕も聴いたことないんで、分らないんですけど(笑)、こういう感じだよって聴かせてもらって。でも本番は音が漏れちゃうから消してくださいってことだったんですけど。ほんとうに気を遣ってものをつくっているのはすごいなと思いました」
■筧:「あれは80年代から90年代のコンピレーション・アルバムのようなものを用意したんです」
具体的な曲名は?
■筧:「僕も77年生まれなんで(笑)」
■金城:「聴いたことないけど、懐かしい感じでしたね」
■筧:「荒井由実とか尾崎豊が入ってたかな」
■小西:「私も80年代のものを聴かせていただきました。ヘアメイクさんや衣装さんもその時代の洋楽を現場に持ってきてくださって、それも聴いて新鮮な気持ちになりました」
■富司:「私のシーンは音楽は流れていませんでしたし、待ち時間もカットの練習、ハサミの練習をしておりました(笑)」
小西さんは特別な声の持ち主という設定でしたが、演じるにあたって気をつけたことはありますか?
『Sweet Rain 死神の精度』 完成報告記者会見■小西:「声だけを重要視して芝居をすると声だけで演じてしまうことになるので、それは避けたかったんです。そこはなるべく気持ちでやらせていただいたんですね。あなたの声が欲しいと言われて、声というセリフがありまして、そこは現場で監督と何度も話し合い、声に重きを置いてみたり、逆にフラットにしてみたり。雨の音がある場面では、監督の思い入れもあり、後から声のみを録ったこともありました」
金城さんは映画の中でも取材の場でも抜群のユーモアを発揮されますが、共演した小西さん、富司さん、お茶目なエピソードなどあれば聞かせてください。また、富司さんのカットの手さばきがプロのようでした。その技術を習得するためのご苦労は?
■小西:「金城さんとは一番最初に出会ったシーンが、お互いの撮影の最初のシーンで。脚本を読ませていただいたときに、いい意味で噛み合っていない関係というのが作品全体にとって大切なんだと思ったんですね。たとえば一恵の過去には不幸な出来事がたくさんあるんですが、死神から見たらちょっと意味が違っていたり。くすっと笑えたり。でも、それは狙ってできることではなくて、難しいなと思っていたんですが、お互いになんの話し合いもせずに、シーンに入ったら、ほんとうに上手い具合に絶妙に噛み合っていなくて(笑)、それがほんとうに面白くて。きっといい作品になるなと思いました。それ以降も2人で会話をするシーンでは、金城さんが現場で色んなアイディアを出してくださって、それに対して私も動いたり、一緒につくらせていただいたのはとても面白かったです。ユーモアを持った方だということは現場に行く度に感じました」
■富司:「この映画に入る前に金城さんの映画を観せていただき素敵な人だなと思いました。美容室で金城さんをシャンプーするシーンがあったんですが、嘘でも気持ちいいと言ってくださったので(笑)、優しい人だなぁと思いました。カットに関しては、最初美容学校に行って教わったんですが、一回ぐらいでできるようなものではなく、私の行きつけのお店に何度も通いました。親指しか動かしちゃいけないんですね。それと、腕の角度もタンゴを踊るようにしなくちゃいけないとか、姿勢とか、腱鞘炎になるほどがんばりましたが、それが画面に出ていると嬉しいんですが」
■金城:「抜群のユーモアと言っていただいてありがとうございます(笑)。僕自身は面白いシーンだったら、どうやったら面白くなるのかなって、止めてくれないとどんどん考えちゃうんで。そういう意味では嫌いじゃないですね。本と違うことを考えるのが楽しいんです。でも、コインランドリーのシーンでも現場でアイディアを出したんですが、使われたかったので(笑)、そんなに抜群じゃないです」
『Sweet Rain 死神の精度』 完成報告記者会見
もし、7日後に死ぬことを知ってしまったら、皆さんどう過ごされますか?
■富司:「うーん、そうですね、普通がいい。あるがままで。今の毎日が幸せだから、特別にとは思わないですね。ただ、金城さんのような素敵な死神が来てくれれば(笑)」
■金城:「今、映画に入ってるのでちょっと困るかな(笑)、交渉してみます。それでもダメだったらプロデューサーさんたち関係者を呼んで、事情を話して早く代役探した方がいいって、迷惑かけないようにちゃんと伝えて、残った時間は友だちと食事をしたり、親の傍に帰ってごろごろしていようかな」
■小西:「私も自分のために何かをするより、友だちとか仲間とか家族とかに手土産を持って、今までありがとうとお礼に行きます」
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『Sweet Rain 死神の精度』
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開日:2008年3月22日
劇場情報:丸の内プラゼールほか全国にて
公式HP:http://www.shinigaminoseido.jp/
(C)「Sweet Rain 死神の精度」製作委員会
あらすじ
人間が不慮の死を遂げる7日前に現れて“実行=死”か“見送り=生かす”がを判定する死神の千葉は、1985年のある日、新たなターゲットである27歳の藤木一恵に接触する。孤独な影をひきずる彼女は、いつしか千葉に心を許し不幸な過去を告白するのだった。
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プロフィール
『Sweet Rain 死神の精度』 完成報告記者会見金城武
1973年台北出身。CM出演、歌手活動を経て俳優デビュー。ウォン・カーワイ監督の『恋する惑星』『天使の涙』で大ブレイク。以後、得意の語学力を生かして国際派俳優として活躍。主な出演作に『世界の涯に』『不夜城』『リターナー』『LOVERS』『傷だらけの男たち』など多数。最新作はジョン・ウー監督の超大作『Red Cliff(原題)』
『Sweet Rain 死神の精度』 完成報告記者会見小西真奈美
1978年鹿児島県生まれ。つかこうへい劇団を経て、舞台、TV、映画と活躍の場を広げる人気女優。主な出演作に日本アカデミー賞をはじめ数々の新人賞を受賞した『阿弥陀堂だより』の他、『blue』『UDON』『叫(さけび)』などがある。また、本作では藤木一恵役として美しい歌声も披露している。
取材・文:齊田安起子



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