『母べえ』 初日舞台挨拶

2008.01.28

待ちに待った初日! ベテラン女優も目をうるませる大切な映画が封切りに
日時:1月26日(土)
場所:丸の内ピカデリー1
登壇者:吉永小百合、浅野忠信、檀れい、志田未来、佐藤未来、笑福亭鶴瓶、野上照代(原作)、山田洋次(監督)
『母べえ』 初日舞台挨拶
「父べえ」「母べえ」「初べえ」「照べえ」とお互いをニックネームで呼び合い仲睦まじく暮らす家族の姿を戦争一色に染まってゆく暗く陰惨な時代を通して描いた『母べえ』が初日を迎え、初回上映後の余韻に包まれる中、主演の吉永小百合、浅野忠信、山田洋次監督らが舞台挨拶を行った。2月7日から開幕する第58回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品が決定した本作は、黒澤明監督作品で長年スクリプターをつとめてきたベテラン・野上照代の自伝的作品が原作。山田監督に請われて、優しさとユーモアと芯の強さを併せ持つ「母べえ」を演じた吉永は、「一生忘れない大切な思い出」になると目をうるませた。


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まずは山田洋次監督からご挨拶お願いします。
■山田:「寒い朝早くから初日に詰め掛けてくださって嬉しく思います。今日のために忙しい時間をやりくりして来てくださった。また、大勢のスタッフも会場に来ています。こんなにも完成からずっと時間を置いて封切りが来る日を待ち続け、緊張の中に今日の日を迎えたのは、たくさんの映画をつくってきましたが、初めてだなあと思っております。まずは皆さんにお礼を申し上げます。どうもありがとう」
『母べえ』 初日舞台挨拶原作者の野上照代さん、お願いします。
■野上:「こういう素晴らしい映画ができまして、その原作者に名前を連ねさせていただいてほんとうに光栄だし感謝しています。私が23年前に書いた作文のような小さな原作とも言えないようなものが山田さんをはじめスタッフの皆さんや俳優さんのおかげで、こんな立派な素晴らしい映画になったことをほんとうに嬉しく思います。ここにいらっしゃるほとんどの方は、この時代のことをご存知ないと思うんですが、この時代の戦争の犠牲になった、戦争のために死んだ兵隊さんや、治安維持法の犠牲になった人たち、戦争に反対したために殺された人たちの志しの高さ、美しさを映画を通して感じていただければ嬉しいです」
続いて、主人公“母べえ”こと野上佳代を演じた吉永小百合さん
■吉永:「『男はつらいよ』に2本出演させていただいて以来、長い年月が経ちますけれども、山田監督の映画が好きでずっと観てまいりました。弱いもの、小さいものに対する、優しい温かい眼差しをいつも感じておりました。そして、今回の『母べえ』もそんな映画だと思います。そういう作品に、今日来ていらっしゃる素晴らしいキャストの皆さんと手に手を取り合って出演させていただいたことは私にとってこれから一生忘れられない大切な思い出になると思います。ほんとうにありがとうございました」
これまで数多くの作品に出演されてきた吉永さんですが、初日はやはり緊張なさるものですか?
■吉永:「おとといのように雪が降ったらどうしようとか、こんなに寒い中を朝早く出てくださる皆さんがいらっしゃると思うと、なんとかいい条件でと思いますし、ほんとうにドキドキハラハラして今日を迎えました」
『母べえ』 初日舞台挨拶続きまして、“山ちゃん”にご挨拶いただきましょう。
山崎徹役の浅野忠信さんお願いします。ちなみに浅野さんがチンギス・ハン役で主演した『MONGOL』がカザフスタン代表としてアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされました。この部門に日本人が絡むのは、山田監督の『たそがれ清兵衛』以来ということになります。

■浅野:「撮影は約一年前で、長いことかかって今日を迎えたんですけど、その間に自分がどんな人たちと関わってきたのかということをじっくりと感じることができました。もちろん撮影中も、とんでもない人たちと仕事をしてるんだなと思ってたんですけど、ほんとうに素晴らしい映画に出させていただいて感動しております。それをこうしてたくさんの人に観てもらえることがとても嬉しいです」
次に“チャコちゃん”役の檀れいさん、お願いします
■檀:「私はこの野上久子、“チャコちゃん”を演じるにあたって、とても苦しみました。野上家の中に空気のように当たり前のように存在するにはどうしてらいいのかほんとうに悩みました。でも、チャコちゃんは色んなことをポンポン言うかもしれないけれども、色んなことに抑圧されて生きてきた人なんだなということをすごく思いました。私は演じながら、当たり前に美しくお化粧してきれいな洋服を着たり、恋愛したり、自分のやりたいことを全部押さえつけられてきたかわいそうな女性だなって、そういう世界に生きていたんだなと強く思いました。今、私たちはとてもいい時代に生きています。それを日々感謝しながらこれからも皆さんに喜んでもらえるような映画をつくって行きたいなと思いますし、皆さんもこの映画を観て色んなことを感じていただけたらほんとうに嬉しいです」
そして、破天荒な仙吉伯父さん役は笑福亭鶴瓶師匠です。
■鶴瓶:「私はこの仙吉を演じるにあたってすごく楽でした(笑)。監督から一言も言われることなく、全部OKでしたんで、ほんとに僕はこんな男かなって思ったところもあります。はじめは『母べえ』っていうのはけったいなタイトルやなと思ったんですよ。なんやなこの“母べえ”って。でも、よう考えてみたら、この呼び方ってものすごい素敵やなって。ほんとうにいい家庭の温かい雰囲気があって、あんな時代ですけど、いいなと思うんで。これから日本人は母親のことをママとか言わないで“母べえ”と、お父さんのことは“父べえ”、お兄さんのこと“鶴瓶”と呼んだらいいと思います(笑)。帰ったらすぐお母さんのことを“母べえ”と呼んでいただきたいと思います」
『母べえ』 初日舞台挨拶2人の可愛い娘さんをご紹介しましょう。実は2人の名前はどちらも漢字で書くと“未来”。でも、長女の“初べえ”こと初子を演じた志田さんは“ミライ”で、次女の“照べえ”こと照美役の佐藤未来さんは“ミク”と読みます。
■志田:「野上初子役をやらせていただきました志田未来です」
未来さんのお母さんはどんなお母さんですか?
■志田:「友だち感覚で何でも話せるお母さんです。すごい優しいんですけど、怒られますね、悪いことすると」
今14歳の未来さん、吉永さんと親子を演じられたわけですが、吉永さんはどんなお母さんでしたか?
■志田:「吉永さんがほんとうのお母さんだったらいいなと何度も思いました」
次女の“照べえ”役は佐藤未来さん
■佐藤:「野上照美役の佐藤未来です」
未来ちゃんは今小学校4年生ですね。未来ちゃんのお母さんはどんなお母さんですか?
■佐藤:「怒られるんですけど、すごく適当な人です(場内、爆笑)。でも、細かいことはちゃんとやります」
未来ちゃんはお母さんのことをなんて呼んでるんですか?
■佐藤:「ママって呼んでます」
未来さんはなんて呼んでますか、お母さんのこと。
■志田:「最近、ニックネームで呼ぶことが多くなりましたね。寝る前にガールズ・トークをしてるんですけど、そうするとほんとうに友だちみたいになれて、そういう風に呼べるようになりました」
ガールズ・トークって何ですか?
■志田:「女の子同士の会話です」
なるほど。では、未来ちゃんにも聞きます。ずっと一緒にいて吉永さんはどんな人でしたか?
■佐藤:「すごい優しい方でした。休み時間も遊んでくれたりして、撮影が終わった後も水族館へ連れて行ってくれました」
『母べえ』 初日舞台挨拶
■鶴瓶:「この子ですよ。ちょこちょこするから吉永さんが“鶴瓶!”って怒らはったんです(笑)」
■吉永:「あんまりちょこまかしてるから、母べえとしては叱らなくちゃいけないと思って“鶴瓶!”って怒っちゃったんです(笑)」
全国327スクリーンで、ちょうど今ごろ一回目の上映が終わったところだと思いますが、最後に、山田監督と吉永さんからメッセージをお願いします。
■山田:「何回か試写を行ったんですが、それを観た野上照代さんのお友だちの方が手紙をくださて、その中に、この作品は小さな茶の間を大きな時代が通り過ぎて行くような映画になったと書かれていました。言い当てられたといいますか。そんなつもりで映画をつくったわけじゃないんですが、僕は嬉しかったし、同時に教えられました。映画っていうのは、観る人に教えられて、作り手が気がつくという関係があるんです。どうぞ皆さん、この映画をご覧になって、色んな感想を抱かれると思いますが、そんな時代もあったんだな、この国はこれからどうなって行くんだろう、またあんな時代を迎えるようなことだけは決してしてはいけないんだな。そんなことをちょっとでも家路に着くときに考えてくださるようであれば、作り手としてこんな嬉しいことはない。そんな風に思っています。皆さんが少しでもよかったと思ったら、ご近所の人たち、お友だちに伝えていただければ、こんなありがたいことはありません」
■吉永:「2ヶ月前から全国でこの映画のキャンペーンをしてまいりまして、今日、皆様にご挨拶をしております。今日がほんとうの意味で『母べえ』のスタートの日だと思います。そして、ここだけじゃなくて、新宿でも渋谷でも大阪でも北海道でも色んなところで、来てくださった方にもう一度ご挨拶をしたいと思っています。それくらい私にとって大切な作品です。そしてこの映画をご家族で観ていただきたい。また、10代の少年・少女にも観ていただきたいと思っております。どうぞ、今日ご覧になった皆様、お力をお貸しください。たくさんの方に観ていただけましたら嬉しゅうございます。今日はほんとうにありがとうございました」
ベルリンでは2月13日に公式上映 山田監督、吉永さん、野上さん、浅野さんの4人が参加されるそうです。
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『母べえ』
配給:松竹
公開:2008年1月26日
劇場情報:丸の内ピカデリー2ほか全国にて
あらすじ
昭和15年2月の東京。貧しいながらも明るく楽しく暮らす野上家に、ある朝、特高警察が踏み込み、ドイツ文学者の父・滋を治安維持法違反で検挙する。幼い娘2人を抱えて途方に暮れる母・佳代だったが、滋のかつての教え子である山崎や滋の妹・久子に励まされながら、夫の帰りを辛抱強く待ち続けるのだった。しかし、時代はますます戦時色を強め、滋が戻らぬまま日本は太平洋戦争に突入して行く。
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プロフィール
『母べえ』 初日舞台挨拶吉永小百合
東京都出身。映画初主演は59年の『朝を呼ぶ口笛』。以後『キューポラのある街』『男はつらいよ 柴又慕情』『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』『おはん』『外科室』『長崎ぶらぶら節』『北の零年』などに出演し、数々の映画賞に輝く日本を代表する女優。本作『母べえ』は112本目の作品。
『母べえ』 初日舞台挨拶浅野忠信
1973年神奈川県出身。90年『バタアシ金魚』で映画デビューし、以後『幻の光』『風花』『アカルイミライ』『座頭市』『地球で最後のふたり』『珈琲時光』『インビジブル・ウエーブ』『サッド ヴァケイション』などに出演。カザフスタン・ロシア・ドイツ・モンゴル合作の『MONGOL』公開待機中。
取材・文:齊田安起子



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