『チャプター27』J・P・シェファー インタビュー

2007.12.07

“彼が生きていたらもっと世の中楽しいかもしれないね”
電話インタビュー
1
ジョン・レノンを殺害した男、マーク・デイヴィッド・チャップマンのニューヨークでの3日間を克明に描く本作。誰もが知らなかった、そして誰もが知りたかったレノン殺害の行動と心理を、綿密な取材のもと映像化した、まさに野心作だ。
今回は監督のJ・P・シェファーにお話を伺った。


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このテーマを選んだ理由。そして撮影までの経緯をお聞かせください。
■J・P・シェファー監督(以下、シェファー監督):「この事件を一度耳にしたら忘れることが出来ないと思うし、もちろん自分の中にも残っていて脚本を書こうと思ったんだ。同時にこの事件を僕が映画化していなければ、誰も映画化しないと思ったしね。「僕がやらなければ!」とちょっとした使命感もあったんだ。それと単なる殺人者の映画にはしたくなかったので、俳優・スタッフは慎重に選んだよ。ロックンロール史上における悲劇、アメリカの悲劇として出来るだけリアルに描きたかった。制作に携わる人を熱心に説得した甲斐があって、いいサポートをしてもらったよ。ラッキーだったね」
2テーマがテーマだけに「上映反対!」の声は多くありませんでしたか?
■シェファー監督:「際立って上映に反対する声はなかったんだよね。ネット上では様々な意見があって中には上映を反対する人もいたけど、でも同時に上映に賛成してくれる人もいるわけで。それほど酷いものはなかったよ」
逆に「上映賛成!」の方はどんな意見・感想を持っていたのでしょうか?
■シェファー監督:「そういう人たちは表現の自由をサポートしてくれているんだと思うよ。衝撃的な事件があって、その真実を描がくことは決して悪いことでは無いし、自由なことだしね」
事件当時の記憶や印象は監督の中にどのように残っていますか?
■シェファー監督:「事件当時まだ1歳だったから記憶としては残っていないけど、僕が8年生のときに友達からジョン・レノンがどのように殺されたか、そして犯人はまだ生きていて2001年に釈放されるというの初めて聞いたんだ。しかもその友達が普段穏やかなのに激しい口調で「あいつが出てきたら殺してやる!」と言ったんだよね。すごく衝撃を受けたよ」
3その友達とのやり取りがあったからこそ、映画化までの想いがあったのでしょうね。
■シェファー監督:「そうだね。そのときの衝撃が映画化への想いにつながったね。ビートルズファンがジョンの殺され方に感じるトラウマを対処する、電話相談室が出来るくらいの衝撃的な事件だったからね。こんな風に思ったのは僕だけじゃないし、映画化しようと思うのもこの事件が興味深い題材だからなんだ」
チャップマンは非常に興味深い人物ですよね。撮影に入る前に彼についてどのようなリサーチをされました?
■シェファー監督:「手に入る限りの資料を集めたよ。一番興味深かったのはラリー・キングがチャップマンにインタビューする映像があって、チャップマンが本当のことを言っているか分からなかったんだ。嘘に塗り固められた人物というか、常に演技をしているように見えてね。その映像が一番興味深かったかな」
今回チャップマンを演じたジャレッド・レトの狂気に満ちた演技は恐怖さえ感じました。なぜ彼を起用したのか。また彼はどのような役作りをされていましたか?
■シェファー監督:「彼の持っている集中力・気迫、そして何も誤魔化すことなく役に全身を捧げることが出来るその姿勢に惹かれてチャップマン役に起用したんだ。本当はジャレット自身が語るべき事なんだろうけど、役作りをするうえで肉体的にもチャップマンに近づけて、チャップマンが眼鏡をいじる仕草・髪の毛を梳かす仕草を普段からしながら役に入り込んでいってたよ。あとは歩き方だね。大柄の人にしかできない歩き方があって、チャップマンの体重に近づくにつれてその歩き方も板についていったね」
4ジャレッド・レトはチャップマンになりきるための30kgも体重を増やしたとお聞きしました。どんな方法で体重を増やしたのでしょうか?
■シェファー監督:「ファーストフード、ベーグル、クッキーとか、とにかく食べてたよ。あとはジャンバ・ジュース(スムージー)も飲んでたね。その中でも彼を一番太らせたのはハーゲンダッツを電子レンジで溶かして沢山飲んだことだと思うよ」
すごく短期間に体重を増やされたそうですね
■シェファー監督:「撮影の1ヶ月前から徐々に太っていって、撮影に入ったら今度はその体重を維持するのに大変そうだった。撮影の合間にも沢山食べて、シェイクも飲んで。ジャレッドは元々筋肉質で太りにく体質なんだ。撮影では沢山動くからすぐに痩せてしまうんだ。本当に体重を維持するのが大変そうだったよ」
太るのもそうなんですが、役作りのためにジャレットと相当時間をかけられて話し合いをしたのではないでしょうか?
■シェファー監督:「そうだね、結構時間をかけて話したよ。チャップマンはビートルズファン、ホールデン・コーフィールド(『ライ麦畑でつかまえて』の主人公)、嘘つき、怖がりな子供のような色んな側面を持っているので「この場面ではこの要素を出していこう」とか話し合ったね」
ジュード役にリンジー・ローハンを起用した理由は?
■シェファー監督:「ジャレット演じるチャップマンが正しくないビートルズファンだとするならば、リンジー演じるジュードは正しいビートルファンなんだよね。そこの陰と陽を演じるのに適しているんじゃないかなと思ったんだ。それと組み合わせとしてジャレットの横に置いたとき面白いと思ったね。ポールを演じたジェダ・フリードランダーとのコンビネーションもバランスも良かったし、彼女を選んで正解だったと思うよ」
ジョン・レノンがもし生きていたら僕らにどんなメッセージを送ると思いますか?そして現状よりも世界はもっとハッピーになれますかね?監督の考えを聞かせてください。
■シェファー監督:「ジョンは今はもういないけど、存在してたって事がラッキーだと思うんだ。彼はもっとメッセージを伝えたかっただろうし、芸術・政治的な分野とか様々な分野で表現者としてアクティブに動きたかったと思うよ。彼が生きていたらもっと世の中楽しいかもしれないね(笑)。
音楽の面でも彼は死ぬ直前に“レゲエ”が音楽の最先端だとすごく気に入ってて。そう思うと今のエレクトロニカとかHIPHOPとかを聴いてどのように感じるかすごく興味が沸くよね。実はオノ・ヨーコと2人で自分達の体に装飾してエレクトロニカの先駆けみたいなのもやってたんだよね。その当時からジョンは今の音楽を見ていたのかもしれない。あとは政治の面でも色々やってくれたんじゃないかと思うよ」
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『チャプター27』
配給:アスミック・エース エンタテインメント
公開:2007年12月15日
劇場情報:シネクイントほか全国にて
公式HP:http://chapter27.jp/
(C) Seiji Fujimori
(c) 2006 PA Fade In Films,Inc. All Rights Reserved.



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