『転々』 三木聡監督インタビュー

2007.10.18

“ネオ三浦友和”=福原愛一郎は、三浦さんの懐の深さから生まれたキャラ
出席者:三木聡(監督)
『転々』 三木聡監督インタビュー
全く新しい三浦友和誕生! 勝手に”ネオ三浦友和”と命名させて頂きました。
レニングラード・カウボーイズのような髪型に半纏を羽織り、新聞を読みながら足の爪を切る三浦友和なんて、ありえないでしょ?
これは、映画『転々』で福原愛一郎を演じた三浦友和さんのお話。三木聡監督は、なぜここまで三浦友和さんを面白くしてしまったのか。早速お話を伺いました。


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この映画を作るきっかけは?
■三木聡(以下:三木):「プロデューサーから”こういう本があるんだけど、読んでみてくれない?”って言われたのが一番最初のとっかかりです。
読んでみて面白かったので、原作のテイストを大事にしながら自分の映画に変えてもいいか、ということを原作者の藤田(宜永)さんに了承してもらいに行きました」
どこに面白さを感じたんですか?
■三木:「僕も散歩が好きだし、東京都内を散歩しに行く話だから、いろんな変な人にも会えるだろうな、コント的シチュエーションが作りやすいなと。
散歩で出会ったオジサンが、どうなっても構わないじゃないですか、散歩なんだから(笑)。そういうことが含まれていたのが大きかったですね」
完成披露の時に、原作の藤田宜永さんがいらしていて、今から初めて観るんだとおっしゃってましたが、感想はお聞きになりましたか?
■三木:「いや~その後、お会いしてないんです(笑)。でも、怒られたという噂は聞いてないので、何とか許してもらえる範囲だったんじゃないかと思います。
藤田さんは面白い方で、”娘(自分の小説)を嫁に出すんだから、大事に扱ってくれ”って言われて。うまいこと言いますよね。さすが作家」
『転々』 三木聡監督インタビュー「時効警察」再結成みたいなキャスティングですが、資料によると、脚本は「時効警察」の前に書かれていたんですよね。
■三木:「「時効警察」の1話目を撮っている時にオダギリさんに本(脚本)を渡して、”本読みましたよ。くだらない本ですね”って言われた記憶があるので、「時効警察」より前ですね。
岩松さんやふせさんなど、それまでの作品でご一緒させて頂いていたいるんで。オダギリさんも『イン・ザ・プール』の時に出て頂いていたんで、好きな役者さんと面白いことが出来たっていうのはありますね」
オダギリさんは、大学生役にしては年齢がちょっと上過ぎなんですが、選んだ理由は?
■三木:「やっぱりお芝居が面白いってことで。僕の映画の中では、その辺のリアリティは必要ないんじゃないかなと。
上野樹里だって18の時に23歳の主婦役ですからね。福原に対して文哉は受けの立場ですからね。常に受けていって面白くしてくれる役者さん、ということでオダギリさんにお願いしました。
設定のリアリティはあまり考えないから。そういう映画もあると思うけど、そうじゃない映画もいっぱいあるし、僕の今作っているものは、そういうものに近いと思うので」
その最たるのが三浦友和さんですよね(笑)。二枚目の三浦さんを福原役に起用したのはどういう…?
■三木:「相米監督の『台風クラブ』でダメな教師役をやってるんですよね。そういうダメな部分を出さない役者さんもいるじゃないですか。
でも三浦さんは、そういう役もやられる方だし、お芝居も押し付けがましいところがないんです。(この映画は)ギャグなので、”これは面白いことですよ~”って言って出すより、ぽんと置いていったりするようなお芝居がいいかなと。
そういうのはセンスがないと出来ないので。オダギリさんもその他の役者さんも、そういう部分をお持ちの方だと思うし、三浦さんも出来るし。
三浦さん自身にも変な部分が、おありだと思うんです。そんなこと言っちゃ失礼なんですけど、そういうことを出して頂く、という。役者さんとしての懐の深さみたいなものを三浦さんは持っていらしたので、普通の三浦さんとは違うものを」
散歩がお好きだそうですが、この映画で使われた中で散歩にお奨めの場所は?
■三木:「岸部一徳さんを発見するシーンに坂があるんですが、大岡山という所なんです。駅の側なんですけど、急なストロークで一旦下がって上がる坂は珍しいので、いつかロケしたいなと思っていた所を撮ったので。あの坂はお奨めですね。
東京は結構いい坂が多いんですよ。大阪は橋で、東京は坂って言いますしね」
今回の三浦友和さんのように、今後も役者さんにそれまでと全く違う演技をさせることは考えていますか?
■三木:「そうですね。ある役者さんの風貌とか雰囲気と違うことがあった方がギャグのハードルが低いというか。そんなことを言いそうもない人が言った方がおかしいというのが、コントの基本的な方法論としてあると思うんで。
全部そういうことではないですけど、この人がこういうこと言ったら面白いだろうな、という想像力を膨らませられる役者さんで、くだらないことにお付き合い下さる役者さんであれば、是非ご一緒したいですね」
完成披露の時にオダギリジョーさんが「まじめで厳しい」と言っていたように、三木監督には常に緊張感が漂いました。インタビューにも一問一問、真剣に答えてくれました。まじめさ、直向さから、「脱力系」と呼ばれる笑いが生まれたんですね。
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『転々』
配給:スタイルジャム
公開:2007年11月10日
劇場情報:アミューズCQN、新宿テアトルほか、全国にて順次公開
公式HP: http://www.tokyosanpo.jp/
(c)2007「転々」フィルムパートナーズ
あらすじ
大学8年生の文哉は消費者金融から借りた借金84万円が返せず困っていた。そこに借金取りの男・福原が、ある条件を飲めば、借金をチャラにしてやると提案してくる。その条件とは吉祥寺から霞ヶ関まで二人で歩くことだった。
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プロフィール
『転々』 三木聡監督インタビュー三木聡
1961年神奈川県出身。構成作家として「ダウンタウンのごっつええ感じ」「タモリ倶楽部」「トリビアの泉」他、多くの伝説的な番組に関わる。松尾スズキ主演の『イン・ザ・プール』(05)で映画監督デビュー。代表作は、「時効警察」(ANB)『亀は意外と速く泳ぐ』(05)『図鑑に載ってない虫』(07)などがある。
取材・文: 南野望里子



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