『春よこい』工藤夕貴 インタビュー

2008.05.23

“17年ぶりに日本映画主演 等身大が一番!”
出席者:工藤夕貴
『春よこい』工藤夕貴 インタビュー
昭和晩年、佐賀の港町。心ならずも殺人を犯し、逃亡した夫。世間から好奇の眼差しで見られながらも、息子と一緒に夫の帰りを待つ芳枝。父への愛情を失わず、健気に父の帰りを待つ息子のために、芳枝はひたむきに日々生き抜いていくが…。
海辺の美しい風景の中で、強い絆で結ばれた親子と人々の暖かい人情を描いた感動作『春よこい』
主人公・芳枝を演じるのは『ヒマラヤ杉に振る雪』『SAYURI』『ラッシュアワー3』などハリウッド作品に数多く出演している工藤夕貴。『戦争と青春』以来、実に17年ぶりの日本映画主演となった『春よこい』について、お話を伺いました。


______________________________________________________________________________
純粋な日本映画への主演は久しぶりですが、出演の決め手は?
■工藤夕貴(以下、工藤):「最近、個性的な役柄が増えていたので、オーソドックスな役柄に惹かれました。あと、子供の頃、家族愛に飢えていたからか、親子ものに弱いところがあります。日本に帰ってきて、子供との接し方がわかならい大人が多くなっていると感じていました。本作にあるような親子の情感を失わないことが、今の時代に大切だと思い、出演を決めました」
本作を見て何を感じましたか?
■工藤:「今の日本は、“整形したり、痩せていないと幸せが訪れない”、というような傾向があると思います。この映画では、等身大のまま、人を思いやって一生懸命に生きていけば、きっと良いことがある、判ってくれる人が現れるって思えるような作品に仕上がっていると思います。背伸びしなくても良いんだよっていう気持ちにさせてくれます。それは登場人物たちが、みんな自然体だからだと思います」
演じられた尾崎芳枝はどんな人物だと思いましたか?
■工藤:「とても母性の強い母親だと感じました。単に旦那さんを愛しているからではなく、自分の息子が愛している父親だから、4年間待ち続けられたのだと思います。息子の生活を守るために、必死に耐えながら、日々、少しでも幸せに生きようとする女性です」
仕方なかったにしろ、家族を捨てて逃げた夫への感情をどう解釈しましたか
■工藤:「唯一自分の気持ちを海にぶつけるシーンがあります。あれが芳枝の本当の気持ちだと思います。でも人間の気持ちは日々揺れ動くものなので、こういう気持ちだという結論付けはしないようにしています。大枠の感情は決めても、その中に散らばる感情は、バラバラのパズルのピースなんです」
本作に限らず、感情面で納得出来ない場合の解釈はどうしていますか?
■工藤:「たとえ納得できなくても、それは私だけの見解です。ひとつの役が私だけのものになってしまうのは良くないので、バランスを取るように心がけています。自分の考えに固執すると、私を通しての感情表現しか出来なくなってしまいますから、監督の意見が正しいと思えれば、それに従います」
西島秀俊さん、宇崎竜童さん、時任三郎さんなど実力派俳優との共演でしたが、いかがでしたか?
■工藤:「やり易かったです。この人以外考えられないのでは?って思えるぐらいキャラクターにはまっていました。共演者のお芝居が良ければ、私の芝居も良くなるんです。相手の演技に引っ張られてしまう自分が甘いと言えば甘いのですが、やはり、お芝居は一方通行ではないですからね。この作品の出演者は、みなさん豊かな感情を表現できるアーティストだったので、楽しかったですし、毎日、発見がありました」
これは女優業の魅力のひとつですか?
■工藤:「そうだと思います。自分の生活内以外の感情や人間に成り切ることは余り無いですよね?女優の場合は、天使、悪魔、殺人鬼と様々な人格に成り切ることが出来ます。私は変身願望が強いので、自分にピッタリの仕事ですね」
変身願望が強いんですか?
■工藤:「強いですね。女優でなければ、コスプレとかはまっていたと思います。女優は大義名分をもって、道を外れることが出来るので、良かったと思います(笑)」
______________________________________________________________________________
『春よこい』
配給: 東映
公開: 2008年6月7日 (土)
劇場情報: 丸の内TOEI2ほか全国にて
公式HP:http://www.harukoi.com/
©2008 映画「春よこい」製作委員会
取材・文:伊藤P



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
TOP